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2012年1月 7日 (土)

社説を読む 第1回

昨年は、東日本大震災とともに、マスコミへの不信感があらわになった1年でした。
では、実際のところどうなのかを検証するために、新コーナーを開始します。

社説を読む。直近1週間(今回はこの年末年始)の、朝日・読売・日経・毎日の社説から、
正しいと思えるものと間違っている・おかしいと思えるものとをピックアップします。
(昨年10月辺りから上4紙の社説を読み続けていました。産経は、あまりにも内容がひどいので2日目でギブアップで、今回も対象外です。)

よくマスコミは権力の監視者などと呼ばれますが、こちらは権力の監視の監視を行うという感じでやっていきます。
あくまで是是非非で。

○: 正しいと思える。よく言ってくれたと思えるもの。
?: 間違っている。おかしい。何言ってるの?と思えるもの。
社説からの引用部分と、一部私のコメントを記載しています。


12/29付朝日

 ただ、汚染の状況を見ると、長い間、自宅に戻れない地域があるのも事実だ。政府は来春、「帰還困難区域」を指定する方針である。細野氏は、その中でも年間の放射線量が100ミリシーベルト以上と特に高い地域に施設を造る考えを示した。

 住まいや働く場へと戻せる見通しが立たない場所に造ることは現実的な選択だろう。やむをえない、苦渋の決断である。

12/31付朝日
 一方で、党内の増税反対派の動きも理解しがたかった。

 8月の党代表選で、野田氏が勝った時点で、増税方針は決着したのではなかったのか。

(中略)

 むろん、デフレ脱却が先だ、もっと行革をすべきだ、といった意見はあり得る。だが、ならば、そのための政策を論じ、実現するのが与党議員の務めではないか。

 残念ながら、反対派の言動からにじんだのは、次の選挙が心配という個別事情だ。

 その極めつきが、議論が終わる前に、党を捨てて、離党した議員たちだ。

1/5付朝日
首相年頭会見―野党はテーブルにつけ

12/28付読売
 仲井真弘多知事は、関連法令に従って評価書を受理する方針を表明している。正当な行政手続きが反対派の妨害行為で滞ったのは、法治国家として問題だ。

☆ まさに大問題である。このことをきちんと取り上げたのはこれだけだったような気がする。それが以外にも読売新聞だった訳だが。

12/30付読売
 民主党の意見集約の過程では、うんざりするような議論が延々と続いた。社会保障と税の一体改革については、8月の代表選で野田首相が明確に主張し、決着したはずだ。反対論を蒸し返す民主党議員たちの姿勢は、まるでだだっ子のようである。

 「増税の前に行政改革をまず実現すべきだ」とはもっともらしいが、こうした主張で財政再建を先送りし、日本は先進国で最悪の水準の財政状況に陥った。

 離党議員の多くは、前回衆院選で民主党への追い風で当選した比例選出である。逆風が予想される今、離党するのは、衆院議員として生き残るための自己保身と見られても仕方あるまい。

 与党議員としての自覚がなく、国政に対する見識も乏しい議員たちが政権党を離党するのは、かえって望ましいことである。

 野田首相は、総会で「与党とは一番つらいテーマから逃げないことだ」と語った。その通りだ。社会保障と税の一体改革の与野党協議を実現し、断固として関連法案を成立させねばならない。

1/5付読売
 自民党の谷垣総裁は4日、記者会見し、首相が消費税問題で協議を呼びかけたことに関連し、民主党のマニフェストは消費税率の引き上げを前提としておらず、「民主党政権にこの問題を発議する資格はない」と述べた。

 その上で、改めて早期の衆院解散・総選挙を求めている。

 消費税を政争の具にすべきではない。法案提出前の衆院選となれば、増税の是非が争点となり、制度改革は先送りされかねない。

 谷垣氏は消費税率10%への引き上げを2010年参院選で公約したことにも言及し、この方針は推し進めると語った。

 その自民党の主張通り、政府・民主党が税率引き上げに政策を転換したのに、実現を妨害するのは、本末転倒である。

12/30付日経
 継続雇用義務づけの見直しを強く求めたい。定年後の雇用確保は能力開発を充実し、就業機会を広げることを軸に対応すべきだ。

12/31付日経
 見過ごせないのは社会保障費の抑制が甘い点である。今回の一体改革では70~74歳の医療費の窓口負担引き上げなどに踏み込まず、低所得者の年金加算といった給付の充実に重点を置いた。

 社会保障費にメスを入れない限り、歳出の拡大は止まらない。さらなる消費税増税をすぐに迫られる恐れがある。高齢者にも応分の負担を求め、年金や医療、介護の効率化を急ぐべきだ。

12/31付日経
 消費税増税をめぐっては民主党の若手衆院議員が強く反発し、集団で離党届を提出した。党の方針に従えない以上、離党の判断もやむを得まい。比例代表の選出者は議員辞職するのが筋である。

1/4付日経
 企業の海外進出が進むと、産業の空洞化で国内の雇用が減るとの見方がある。だが、それは必ずしも当たっていない。

 建設機械のコマツは海外での利益の一定部分を日本に投資し、研究開発などに使う決まりを設けている。その結果、神奈川県など国内に8つある開発拠点では、従業員がこの10年で4割増えた。

 2011年版経済財政白書によれば、海外生産比率を上げる企業は下げる企業と比べ雇用の増え方が2倍も大きい。海外での収益の国内還元や本社機能拡充で、雇用を増やす余地が生まれるからだ。

1/5付日経
 私たちは税金や社会保険料を払い、年金や医療などのサービスを受ける。一生を通じた負担と受益の収支を一橋大学の小黒一正准教授が試算したところ、60歳以上は4000万円の黒字、20歳未満は8300万円の赤字となった。

12/26付毎日
 事故後、原発コストの見直しを進めてきた政府の「コスト等検証委員会」の試算によると原発の発電コストは最低でも1キロワット時当たり8.9円。これまで電力会社や政府が提示してきたコストの1.5倍となる。

 放射性物質の除染や廃炉、損害の費用など今後の事故処理の費用がかさめば、さらにコストは増す。

 石炭火力、液化天然ガス(LNG)火力が10円前後であることを思えば、原発のコストの優位性は大きく揺らいだといえる。風力や地熱も条件がよければ原子力に対抗でき、太陽光も20年後にはそれなりに安くなる可能性が示されている。

 政府はこれをきっかけに、「コスト高」を理由に敬遠されてきた再生可能エネルギーへの投資と推進政策を本気になって進めるべきだ。

☆ それでもなお原発が無くなるから、料金値上げということを言い出すのはどういうことなのか?

12/31付毎日
 強調しておきたいのは、「景気への悪影響」は極端な場合を除き、増税先送りの理由にならない点だ。後になれば景気がよくなる保証などない。選挙の都合という事情から景気を口実にするのは無責任だ。先の見通しを明確にしない方が、企業活動にも市場にも悪影響を及ぼす。

☆ そんなこと言い出したら、いつまでたっても出来ない。

1/1付毎日
 しかし、ここで間違ってならないのは、これら国民生活に直結するいずれの課題も地道な政治プロセスを経ることによってしか解決できない、という冷厳な事実である。多数派である政府・与党が解決策を作り、これを野党、国民に丁寧に説明し、国会で法制度を成立させ政策として断行する。民主的手続きを踏まえ一歩一歩ことを進めていくしか道はないのだ。それを担うのが選挙で選ばれた国会議員である。いくら官僚が優秀であろうと、財界人が正論をはこうと、メディアが批判しようと、この部分だけは代替できない。

1/3付毎日
欧米に都合のいい見方をするのは禁物だ。

☆ その割には、マスコミ勢は、欧米に都合のいい見方しか垂れ流さないのはどういうことか?


12/28付朝日
 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、民主党政権がまた「見切り発車」を重ねた。

 名護市辺野古沖を埋め立てて代替滑走路をつくるための環境影響評価(アセスメント)の評価書を県に送ろうとしたのだ。

☆ 前記の同日読売社説にあるように「仲井真弘多知事は、関連法令に従って評価書を受理する方針を表明している。」のである。これが、見切り発車とはどういう見識か?

1/5付朝日
 最近は、特別手配者の写真を見ても名が浮かばない新人警官が増えているという。風化の兆しは、ここにまで及んでいる。

☆ 伝聞?勝手な想像?何ら意味のない文章。ちなみに、私は、後に公開されたあの写真を見て、平田信とは思えなかった。記者の皆さんはいかがでしたか?

12/28付読売
武器の輸出管理政策を時代の変化に応じて、国益を守る観点から見直すのは、当然である。

☆ 読売新聞さんはなぜ、そんなに戦争をしたいのですか?人を殺したいのですか?

12/28付読売
 辺野古移設と海兵隊移転を同時並行で進めるか、どちらも断念するか、の二者択一しかない。どちらの選択が良いのか、政府と沖縄県は冷静に話し合ってほしい。

☆ なぜその二択になるのか不明。(後述:事実この二者択一でない方向に進んでいる。これに対して読売の釈明は一切無いように見える。)

12/30付読売
 民主党案が、所得税や相続税などで富裕層に一層の税負担を求める方針を明記したのは問題だ。

 高所得者狙い撃ちの課税強化は消費増税への批判をかわそうとする大衆迎合的な発想と言える。

☆ いかにも、経営者御用達の日経らしい、大所高所に立った意見ですね。

1/1付読売
 日本の取るべき道は、アジア重視の姿勢に転じた米国との同盟を一層深化させ、南西方面の防衛力を向上させることである。

☆ 死ぬまで対米従属ですか?本当に日本は死にそうですが。

1/1付読売
 安全が十分に確認できた原発から再稼働していくことが必要だ。政府は地元自治体の理解を得るよう尽力しなければならない。

 再稼働が進まないと、停電や電力不足のリスクを避けるために、企業が海外移転を図り、産業空洞化に拍車を掛けることになる。

 菅前首相の無責任な「脱原発」路線と一線を画し、野田首相が原発輸出を推進するなど、現実を踏まえたエネルギー政策に乗り出したのは、当然である。

 「原発ゼロ」を標榜(ひょうぼう)すれば、原発輸出力は低下し、技術者の海外流出にもつながりかねない。

 福島原発では、事故収束から廃炉まで30~40年を要する。並行して、原発技術を継承する人材を確保、育成しなければならない。

 太陽光や風力などの電源に占める比率を高めていくにしても、国内で古くなった原発を高性能で安全な原発に更新する、という選択肢を排除すべきではない。

☆ 「脱原発」をするにも仕事は死ぬほどたくさんありますが?

12/28付日経
 厳しい予算の制約の中で、十分な防衛力をどう保つか。政府はその答えとして、武器輸出を禁じる政策の見直しを決めた。国際的な潮流にかなった判断といえよう。

 非民主的な国家は初めから対象外とし、大量に相手を殺傷するような兵器の供与も認めないのは当然だ。武器の内容や相手国の政治体制などを厳しく審査し、案件ごとに慎重に判断してほしい。

☆ 武器って人を殺すもののことですよね?そのこと忘れているのですかね?

12/28付日経
 しかし、移設に反対する沖縄の姿勢に、いっこうに軟化の兆しは見られない。こうした事態を招いた責任は政府、とりわけ鳩山由紀夫元首相にある。鳩山氏は政権交代前、何の目算もないまま「県外移設」を約束し、地元の期待をあおった。

☆ 逆に鳩山氏が居なければ、何事もなく県内移設が進行していたのでは?沖縄を覚醒させた鳩山氏に感謝こそすれ、非難されるいわれはない。
そして、十分な時間を与えず、どうでもいいスキャンダルで辞めさせたのはマスコミだ。

12/31付日経
 政府・民主党は低所得者との公平性を保つため、高所得者の税負担を増やす方針も示した。しかし所得税の最高税率引き上げなどは慎重に検討すべきだ。東日本大震災の復興費を賄う所得税増税も始まる。個人の活力をそがぬよう、細心の注意を払う必要がある。

☆ 高所得者から取らずに、低所得者から取れってことですかね?

12/23付毎日
 この国の将来を左右するテーマだ。対する野田首相には党分裂も辞さないくらいの覚悟が必要だ。ところが、それも伝わってこない。そもそも、なぜ、消費増税が必要なのか。首相も説明がまったく足りない。年末までに何度も記者会見して国民の理解を求める努力をすべきである。

☆ 説明がたりないのはマスコミ諸氏のほうでは?

12/29付毎日
社説:未明の評価書搬入 愚かなアリバイ作りだ

☆ 法的な必要な行為を妨害しておいて、それを行うために策をこらせば、愚かですか?これほど、人を愚弄している話は無いですね。

12/30付毎日
過去7年間で相互訪問した首相がインド側はシン首相1人なのに対し、日本は小泉純一郎首相(05年)、安倍晋三首相(07年)、鳩山由紀夫首相(09年)、そして今回の野田首相と毎回顔ぶれが違う。これでは首脳同士の個人的な信頼関係を築くのは難しい。不安定な政治が国家関係にいかにマイナスかを改めて肝に銘じたい。

☆ 誰が不安定してるんだか。

1/6付毎日
 東日本大震災で世界から寄せられた支援を知り、首都圏のある中学生がこんな質問を口にした。

 「あと10年たってまた日本がこんな震災にあっても、世界は日本を支援してくれるでしょうか」

 世界が示した復興への期待にもかかわらず、日本の政治は首相降ろしの権力抗争に終始した。この中学生でなくても、国のサバイバルより政局が優先する政治でこれから先は大丈夫なのかと心配になる。

☆ 政局を優先して報道しているのはどこの誰か?

1/6付毎日
 中東からアジア太平洋へ関与をシフトする米国と、そのアジア太平洋でかつてなく軍事的経済的影響力を強める中国。21世紀の世界の秩序は歴史的な転換期にある。私たちはその最前線に立っている。にもかかわらず永田町にあふれるのは政治家の自己保身、相手への誹謗(ひぼう)中傷ばかりだ。国家の生存戦略を描く精緻で真剣な議論は見あたらない。

☆ 新聞にあふれるのは、(以下略)。記者が関心があるのは、(以下略)。

番外の?
12/29付毎日 余録
▲そもそも税と社会保障の一体改革の素案の年内とりまとめを重ねて表明してきた首相である。切った期限に人々のエネルギーが集中するのは江戸時代の掛け取りだけではなく、政治の力学でも同様だ。ここを外せば、一体改革ともども政権の存在理由が揺らぐだろう▲井原西鶴の「世間胸算用」には掛け取りへの応対を女房に丸投げして姿をくらませた亭主もいるが、まさか首相もその類いではあるまい。社会保障制度改革と消費増税の必要性について、少しは自らの言葉で説明してはどうだろうか。むろん言い訳の嘘は許されない▲年内が期限といえば、普天間飛行場移設問題での沖縄県への環境影響評価書提出のドタバタ劇も目に余る。何にせよ物事を前に進められぬ政界の騒々しい歳末だ。「大晦日定めなき世の定めかな/西鶴」

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