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2012年5月 5日 (土)

是非読んで頂きたい朝日新聞記事より その8

第8回。朝刊 記者有論(青山直篤)より。

大切な眠り 皆が熟睡できる社会を

震災復興について議論するとき、真剣に考えるべき課題がある。「眠り」だ。

宮城県南三陸町職員の山内広(56)は8月下旬まで町内の避難所で本部長を務めた。自宅は津波の被害を免れたが、3月以来、避難所の隣の建物に泊まり込んだ。
毎朝4時ごろには目が覚める。「心のどこかで、「寝てはいられない」と感じていることが、早い目覚めに影響しているかもしれません」
町職員との打ち合わせなどで忙しく、眠りにつくのは夜中過ぎ。睡眠時間は3~4時間という日が多かった。
自らの睡眠時間を削って被災者を支援する山内さんの姿に胸を打たれた。同じように不眠不休に等しい状態で働く人々が、被災地の日々の暮らしを支えている。
ただ、これらを美談ですませてはいけない。
日本社会では、緊急時や非常時の不眠不休はやむを得ない、と考えられがちだ、むしろ積極的に推奨されることすらある。福島第一原発の事故で、雑魚寝のため熟睡できないまま働く作業員たちの姿は記憶に新しい。
このように眠りを二の次にするのは誤りだ。

(中略)

米軍の睡眠研究者は「兵士の眠りは食糧や水と同じ兵站の一種だ」と話していた。不眠不休で敵に勝つ、というのは大間違い。どうしたら兵士をきちんと眠らせることができるのかを考えてこそ、うまく作戦を進められるという。
実際、寝不足の悪影響は広範囲に及ぶ。注意力が失われるのはもちろん、生活習慣病につながったり、昼間にイライラが募ったりする。
寝不足のせいでミスが増えたり、人間関係が悪くなったりすれば、震災復興の足を引っ張りかねない。
被災地ばかりではない。政治や経済が停滞するいま、日本を元気にするためにも一人一人が熟睡するべきだ。
「睡眠より仕事という価値観を百八十度変えなければならない」。静岡県精神保健福祉センターの松本晃明所長(47)は、眠りの改善による自殺対策を進めてきた経験を踏まえ、そう訴える。充実した仕事をするためにこそ、充実した睡眠が必要なのだ。
9月3日は「睡眠の日」。
4月に発足した睡眠健康推進機構が、「ぐっすり」の語呂に合わせて初めて設けた。ぐっすり眠れる社会づくりを、みんなで考えたい。

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