« 是非読んで頂きたい朝日新聞記事より その3 | トップページ | 是非読んで頂きたい朝日新聞記事より その5 »

2012年5月 1日 (火)

是非読んで頂きたい朝日新聞記事より その4

第4回は、2011年10月19日付朝刊の大江健三郎「定義集」より。

【原発が「潜在的核抑止力」とは】
前例なき民主主義無視の論

(前略)

以下は、今号でドキリとした(そして私の気の付き方がいかに遅いかにもたじろぐのですが)、その「転載」についてです。

<日本は…核兵器の材料になり得るプルトニウムの利用が認められている。こうした現状が、外交的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実だ。> 読売新聞9・7

<原発を維持するということは、核兵器を作ろうと思えば一定期間のうちに作れるという「核の潜在的抑止力」になっている…原発をなくすということはその潜在的抑止力をも放棄することになる…> 石破茂。自民党政調会長(当時)、「サピオ」10・5

(中略)

今度の大事故によって、原発の建設時にさかのぼり、今日の東電・政府の情報開示の仕方にまで、いかに民主主義の精神が欠落しているかを、私らは思い知りました。
しかしこの抑止論ほど徹底した民主主義の無視は、例がなかったのじゃないでしょうか?

あまりにも正直に、原発をなくすということはその潜在的抑止力をも放棄することになると、おなじみの節目の憂い顔で威嚇する政治家は、この致命的な両刃の剣を手にすることについて、いつ国民の合意をえたのでしょうか?

もうひとつ、私の「転載」をします。ウェブサイト「核情報」の田窪雅文氏による「原子力発電と兵器転用」から。石橋克彦編「原発を終わらせる」(岩波新書)

<核分裂しやすいウラン235の比率を高めるのがウラン濃縮。原子炉で生成されるプルトニウムと使い残りのウランを使用済燃料から取り出すのが再処理だ。民生用として建設されたウラン濃縮工場でも、核兵器に使える高濃縮ウランを製造できる。再処理工場の製品プルトニウムはそのまま核兵器に使える。>

田窪氏は、海外から見張る者らが、こちらほどノンキでないことをいい、私らが取り込まれた窮境を出る決意をうながします。

<必要のないプルトニウムを作り続けるという不可解な政策をとる日本の意図に外国が疑問を持っても仕方がない。
例えば、一九六九年に外務省の外交政策企画委員会が作成した「わが国の外交政策大綱」が「核兵器については、NPT(核不拡散条約)に参加すると否とにかかわらず、当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵器の製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保持する」との考え方を示していることなどが注目されてしまう。
疑いを持たれたくなければ、今回の事故を契機に再処理計画は即座に中止すべきである。>

続いて原発を廃絶する国民的意思が表明されれば、この限りでの抑止競争は終わります。

|

« 是非読んで頂きたい朝日新聞記事より その3 | トップページ | 是非読んで頂きたい朝日新聞記事より その5 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/193880/55314623

この記事へのトラックバック一覧です: 是非読んで頂きたい朝日新聞記事より その4:

« 是非読んで頂きたい朝日新聞記事より その3 | トップページ | 是非読んで頂きたい朝日新聞記事より その5 »