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2012年6月 9日 (土)

社説を読む 第19回


6/3付朝日
 人気お笑い芸人の母親が、生活保護を受けていたことをきっかけに、大量の報道がテレビや週刊誌にあふれている。

 息子が高収入なのに、その親が困窮して保護費を受け取ることが、道義的な責任を問われるのはやむをえまい。

 だが、「親族の扶養義務をもっと厳しく履行させよ」と行政を批判するだけでは、本質的な改善は望めない。

 生活保護の行政は、世間の厳しい目と、「最後のセーフティーネット」を運用する重責にはさまれ、困難さを増している。要員不足や弱体化を直視し、強化策を探るべきだ。


6/3付読売
 田中防衛相と前田国土交通相の問責を参院が決議した後、野党は2閣僚に関係しない政府提出法案についても、一体改革関連法案などの例外を除き、審議することに原則として反対している。

 特に、野党が多数を占める参院では、4月27日を最後に、本会議は1か月以上開かれず、法案の採決はもとより審議さえ行われていない。異常な事態だ。

 自民党の谷垣総裁は、民主党政権が「国政の停滞」を招いたと批判しているが、問責を根拠とする野党の審議拒否こそが国会の“開店休業”の要因となっている。

 野党は問責の問題を切り離し、審議に応じるべきである。

【誰が国政の停滞を招いているのか。しっかりと事実を受け止めないといけない。】


6/6付朝日
 まして自民党は戦後半世紀以上も政権を担ってきた。目下の財政悪化も、社会保障の行きづまりも、その原因の過半は自民党政権時代につくられた。

【過半てか、100%だろ。】


6/6付毎日
 安全保障の責任者に民間人を抜てきしたことに、野党や与党の一部から批判や疑問が出ている。その一つが文民統制(シビリアンコントロール)との関係だ。選挙の洗礼を受けない民間出身者に軍事問題の責任が負えるのか、という議論である。

 しかし、自衛隊の最高指揮官、軍事の最終決定者は首相であり、防衛予算や法律は国会で審議される。憲法は、閣僚は文民でなければならないと定めているだけで、民間人の防衛担当閣僚起用に問題はない。防衛相も国会議員が望ましいという問題提起は理解できるが、民間出身者という理由でただちに文民統制上、問題があるとは言えないだろう。


6/7付朝日
 国会審議で自民党が示した「社会保障に関する基本的考え方」で、最初に来るのが、「額に汗して働き、税金や保険料などをまじめに納める人々が報われること」である。

 私たちも異論はない。だが、いま問われているのは「どこで汗して働くのか」である。

 グローバル化のなかで、安定した製造業の仕事は海外に流出している。一方、サービス産業などで、自民党政権の時代から増え続けたのは低賃金の非正規雇用だ。「税や保険料を納めようにも給料が少なすぎる」ところが問題ではないのか。

 自民党はまた、「家族による『自助』、自発的な意思に基づく『共助』を大事にする」ともうたっている。

 しかし、安定した仕事を持つ夫の収入で、家族全体の生活が保障される自助のモデルは崩れつつある。

 不安定雇用で収入が少なく、将来への展望が描けない若者にとっては、結婚して家族を持つことさえ難しい。家族がいれば助けは期待できるが、家族単位という前提自体が成り立たなくなっている。

 だからこそ、社会保険に代表される共助や税金による公助の機能を強化せざるをえない。自民党が言う「自発的な意思に基づく共助」が何を指すのか、具体策が見えない。

 少子化対策でも、自民党は政府の子育て支援法案に否定的だ。株式会社などの新規参入に警戒感が強く、「現行の幼稚園、保育所等の制度を基本」にするという。

 国会審議でも、既存の幼稚園や保育所に配慮して、今の枠組みでもっとカネを注ぎ込めという主張ばかりが目立つ。

 これまで少子化を克服できなかった反省に立って、家族や地域の変容に正面から向き合う謙虚な姿勢が必要だ。

 3年前、なぜ政権を失ったのか。民主党への失望感がこれだけ広がっても、自民党への期待が高まらないのはなぜか。

 民主党の施策を「バラマキ」と批判したいがために、家族重視の保守回帰にとどまるだけなら、自民党は時代認識に欠けた「野党ぼけ」のそしりを免れないだろう。


6/8付朝日
 15年前にあった東京電力の女性社員殺害事件で、無期懲役刑が確定したネパール国籍の元被告について、東京高裁は裁判をやり直すことをきめた。

 疑わしきは被告人の利益に、という裁判の鉄則をふまえた判断だ。検察側の求めに応じ、十分に主張・立証させたうえで導き出した結論でもある。

 にもかかわらず、検察はただちに異議を申し立てた。理解しがたい対応というほかない。

 元の裁判でも一審は無罪だった。二審で有罪になったが、証拠関係はいかにも脆弱(ぜいじゃく)で、疑問はくすぶり続けた。

 裁判をやり直すか否かをさらに争っても、検察はもちろん、刑事司法全体への不信を一層深めるだけだ。不祥事を受けて昨年制定した「検察の理念」で、「有罪そのものを目的とする姿勢」を厳しく戒めたのに、あれは口先だけだったのか。

 再審開始の決め手の一つは、被害者の体内に残った体液だった。そのDNA型と、殺害現場の部屋にあった第三者の体毛の型が一致し、高裁は「被害者と第三者が部屋で性交渉した可能性を示す」と判断した。有罪の前提だった「被告以外の男が部屋に入ったとは考えがたい」との認定に疑いが生じた。

 この体液は、事件当時は血液型が鑑定されただけで、DNA型は調べられていなかった。捜査を尽くしていれば、と思わずにはいられない。

 問題はそれだけでない。

 体液が冷凍保管されているのを検察側が明らかにしたのは、再審請求の弁護人が証拠開示を求めた3年8カ月後だった。さらに遅れて、別の遺留物についても弁護側に有利な警察の鑑定書が存在することがわかった。

 あまりにひどい話だ。

 どうしてもっと早く開示しなかったのか。裁判所もなぜ、もっと強く促さなかったのか。省みる点はたくさんある。


6/8付朝日
 原発は稼働から30年目とその後10年ごとに、電力会社が必要な対策を講じたうえで、国のチェックを受けることが法令で義務づけられている。

 保安院は今回の判断が、あくまで現行法に基づく形式的な手続きだと強調する。「今後10年間の運転そのものを認可するものではない」という。

 一方、国会では原子力規制に関する法案の審議が始まり、会期内に成立する見通しだ。柱の一つとして、原発の運転を原則40年に制限して廃炉にすることが盛り込まれている。

 細野原発相も枝野経済産業相も、繰り返し「40年寿命」を説いてきた。今夏にまとめる政府のエネルギー基本計画も、このルールの適用を最低限とする脱原発依存を念頭に調整が進められている。保安院は廃止され、規制行政は新設の原子力規制委員会へと移管する。

 そもそも、老朽化した美浜2号機は直ちに廃炉にすべき原発のひとつである。昨年12月から運転停止中で、再稼働に必要なストレステストの報告書も出ていない。関電にとっても、古くて出力も小さい美浜を動かす優先度は低いということだ。

 にもかかわらず、形式的とはいえ10年の運転延長を認める行政判断を出せば、国民は混乱するばかりだ。


6/8付読売
 検察が、決定に対する異議を申し立てたため、東京高裁が再び再審開始の可否を審理する。

 一方で高裁は、服役の継続を求めた検察の申し立てを退けた。不法残留していたマイナリ元被告は釈放され、本国に強制送還される見通しだ。

 裁判所としては異例であり、配慮のある判断だと言える。

 有罪判決が揺らいだことを重視し、これ以上、懲役を長引かせるのは避けねばならないと考えたのだろう。今後の審理は、本人不在で行われる公算が大きい。


6/7付毎日
 まずどういう視点で多様な「秀でた力」を見極め、どう線引きし、どんな教育環境で伸ばしていくのか。その眼力とビジョンがなければ、それは絵に描いたモチにすぎない。

 それは、まさか高校2年で従来の教科学力の試験をしてトップクラスの点を取った者を、という方式ではあるまい。

 形式ではなく、中身の論議が早急に進められる必要がある。先生たちも変わらなければならない。教員養成課程も見直さなければならないし、高校以前の中学校、小学校での授業改革も避けられまい。

 その意味で、今回文科省が入試改革も掲げ、思考力や意欲をみる試験に移行するとしたのは理にかなっている。

 かねて私たちは「全入時代」を背景にした大学入試の簡略化や実際上の無試験化の傾向を懸念し、手間をかけて能力や適性を見極める選抜を、と求めてきた。

 単に手間をかけないという意味での「効率性」を重んじていては、選抜は形骸化し、入学後の勉強に関心や意欲がわかないミスマッチも起きるからだ。高2卒業制案と両輪で大学教育改革に結びつけたい。


6/7付毎日
 外国産米が、じわりと浸透している。国産米の価格が高止まりし、安いコメへの需要が高まっているからだ。生産調整(減反)でコメの値下がりを抑え、零細の兼業農家まで保護してきた農政に、低価格志向の消費者が背を向け始めた格好だ。

 民主党が、「ばらまき」と批判される農家への戸別所得補償制度の見直しを始めた。消費者のニーズに応えつつ、国内農業の強化につながる改革を求めたい。



6/4付朝日
 田中防衛相は安全保障の基礎知識すらおぼつかない。前田国土交通相は地方選挙で特定候補への支援を求める違法な文書を出した。首相はもっと早く2閣僚を更迭すべきだった。

 そもそも参院での採決を考えれば、小沢グループの動向はともかく自民党の賛成がないと否決される。その意味でも、首相には2閣僚を交代させないという選択肢はありえなかった。

【政局の話ばかりと批判するくせに、それを煽る馬鹿マスコミ。本当いい加減しろよ。そしてそれにいい加減に気づけよ、国民は。】


6/4付朝日
 さっそく大阪市では、認可保育所の部屋の一部を国の基準より広くしたが、待機児童がいる市中心部などでは、逆に国が求めた基準よりも狭くても構わない、と決めた。

 0歳児と1歳児のほふく室の場合は、1人あたり「3.3平方メートル以上」を、半分の「1.65平方メートル以上」でよいとした。

 緩和を認めた国に、日弁連は「子どもの成長発達権が侵害される」と反対声明を出した。大阪市議会でも不安が漏れた。

 「詰め込み保育」への保護者の不安はわかる。よりよい環境を求めるのも当然だ。

 反対論の根っこには、「国の方が信用できる」という自治体への不信感もあるだろう。

 だが、この点こそが考えどころなのだ。

 自治の現場で問題が発生したとき、住民はだれに注文をつけたらいいのか。自分たちで選んだ首長や議員か、顔も知らない遠い霞が関の官僚か。

 答えは明らかだろう。身近な自治体の方が、住民の意見を反映させやすいはずだ。それが、住民が主役の自治の魅力であり、あるべき姿ではないか。

【明らかとか、当たり前とか。考えることを放棄したような言い方には警戒しないといけない。ほぼ100%嘘が隠されている。考えることをやめてはいけない。】


6/3付日経
 経済産業省の審議会が2030年時点の原子力発電の比率について、0~25%の間で選択肢を示した。政府のエネルギー・環境会議がこれをもとに、8月までに新しい電源構成を決める。

 原発事故が突きつけたのは、安全への過信の戒めである。再び事故を起こさないためには、原発の安全性を高める技術基盤の維持が不可欠だ。示された選択肢の議論にはこの視点が欠けている。

 私たちはかねて「エネルギー政策の調整と点検の期間」を設けるよう提案してきた。原発は当面、一定数を維持しつつ、再生可能エネルギーや省エネの拡大に努める。5~10年後に、その成果を見極めたうえで原発の位置付けを改めて決めるという考えだ。

 こうした提案であれ、審議会の選択肢のどれであれ、少なくとも30年までは原発を使い続けることになる。その間の人材を確保し、安全技術を高める場が欠かせない。耐用年数を迎えた原発を、確実に廃炉にする技術の確立も必要になるだろう。

 原子力産業の従事者は約4万6000人。原発の新設や更新が見込めず、産業として衰退ムードが強まれば優秀な人材は集まらない。企業が生産基盤を維持するのも難しくなる。原発の将来像は、人材育成や経験を引き継ぐ仕組みとも切り離せない問題だ。


6/6付読売
 国内生産の維持には、原子力発電所の再稼働を急ぎ、電力の安定供給を図ることも不可欠だ。

【思考停止のゴミ売。】


6/6付毎日
 前法相は、退任会見で突然、発動しなかった指揮権について発言し、首相が拒んだ経緯も明かした。こうした姿勢も一方的で、後味の悪さを残した。

【どう考えても当然だろ、あれは。】


6/8付読売
 SCO加盟国の経済規模は発足当初、世界の4・8%を占める程度だった。それが、10年を経て13%に増大したという。

 欧米が財政悪化と景気低迷に苦しむ中、SCOは経済力で存在感を高めるに連れ、外交・安保でも発言力を強めようとしている。

 今回の首脳会議では、新たにアフガニスタンをオブザーバー国に加えることを決めた。

 SCOは、NATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)が2014年末までにアフガンでの戦闘任務を終えることをにらんで、アフガンでの影響力を強めたいのだろう。中国には、資源獲得に大きな狙いがある。

 日本は米国と歩調を合わせて、伸長するSCOの動向を注視し、警戒する必要があろう。

【アメリカと歩調を合わせることの利点て何?SCOの経済規模が増えたのであれば、彼らと協調したほうが利が多いと思うのが普通だと思うが。ここでなぜアメリカが出てくるのか。】


6/8付毎日
 シリアで住民虐殺が続いている。中部ホウラで先月下旬、100人以上が殺される「集団処刑」事件が起きたのに続いて、6日にはやはり中部のハマ近郊で政府系民兵の襲撃によって90人近くが殺害されたという。今度も子供や女性の犠牲者が多い。至近距離から銃で撃ったり刃物で刺すなどの手口は、まさしく冷血の所業である。

 どうしたら虐殺と流血を止められるのか、国際社会は改めて真剣に考えなければならない。シリアのアサド政権は虐殺への関与を否定し「武装テロ組織」のしわざだと繰り返すばかり。ロシアと中国はそんなアサド政権を擁護し、国連安保理による圧力の強化にも消極的だ。

 他方、11月に大統領選を控えるオバマ米大統領は強い措置を取りにくい。リビアでは軍事作戦を担った欧州諸国も、財政危機が広がる折、積極的な介入は避けたいのが本音だろう。こうした事情を見透かすように虐殺が続いているのだ。

 露中がアサド政権を擁護するのは、独特な社会主義体制(バース主義)を持つシリアと歴史的につながりが深いためだ。特にロシアはシリアに大きな権益を持ち、地中海に面したシリアの港を海軍の補給地として戦略拠点にしているとされる。

【シリア政府側がやったという決めつけ。そんな証拠はどこにもない。逆であるという話もある。なぜ善悪二元論に持っていきたがるのか。そんな単純なものではない。】

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