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2012年7月14日 (土)

社説を読む 第23回


7/7付朝日
 調査委員会による公開での参考人質疑や論点整理の段階では、詰めの甘さや判断根拠の薄弱さが懸念されたが、640ページに及ぶ報告書は、事故の前と後とを丁寧に追跡・分析した内容に仕上がった。

 物足りない部分はある。使用済み核燃料処理の問題や、電力会社の株主・債権者の役割といった点は対象外とされた。

 何より、国政調査権を有しながら、自民党政権時代にさかのぼった政治の関与や介入についての検証に踏み込まなかったのは残念だ。

 それでも、生かすべき指摘は多い。とりわけ注目したいのは3・11以前の電力会社と規制当局の関係だ。

 電力会社が安全性より原発の稼働率や訴訟リスクの回避を優先し、耐震基準の改定や過酷事故対策といった規制強化から、いかに逃れようとしたか。

 国民の安全確保にもっとも留意すべき原子力安全・保安院や原子力安全委員会が、どのように電力会社に取り込まれていったか。それらが、具体的に描かれている。

 報告書は「関係者に共通するのは、およそ原子力を扱う者に許されない無知と慢心」と批判し、東電に対しては「事業者としての資格があるのか」と疑問を突きつけた。国民共有の思いだろう。


7/6付読売
 政権交代で事実上、凍結されていた整備新幹線の未着工区間について、国土交通相が建設を認可した。北海道・新函館―札幌、北陸・金沢―敦賀、九州・諫早―長崎の3区間である。

 政府・与党が昨年末に一転、着工方針を決め、投資効果を審査した国交省の審議会がゴーサインを出したことを受けたものだ。

 沿線の自治体や経済界は、新幹線を地域活性化の起爆剤と期待している。だが、必ずしもバラ色の展望が開けるとは言い難い。

 3兆円にのぼる事業費の7割程度は、国と自治体が負担する。

 国交省は1年当たりの事業費を抑えるために通常より工期を延ばす。羽田国交相は「時間をかけて整備することで、財政規律に配慮した」と説明した。

 その結果、開業は九州10年後、北陸14年後、北海道に至っては24年後と大幅にずれ込む。

 単純計算でも、国と地方は20年以上にわたり年1000億円の巨費を投じ続けることになる。

 工期が長引けば、建設費が予定通りに収まる保証はない。かつて長野新幹線・高崎―長野間の費用が当初計画の1・4倍に膨らんだことは苦い教訓だ。

 地元にとっては、新幹線と並行して走る在来線の扱いも難しい。第3セクターなどに運営が委託されるが、採算確保は厳しく、運賃の値上げは避けられまい。

 そもそも開業後の収支見通しが甘過ぎるのではないか。所要時間短縮で利用者が増えると試算したが、全体の投資効果は事業費をわずかに上回るに過ぎない。

 参入が相次ぐ格安航空会社は首都圏、関西圏と札幌、福岡などを超低価格で結ぶ。この影響や競争激化も考慮していない。


7/10付読売
 谷垣氏は、消費税率引き上げや、最低保障年金制度の棚上げを「マニフェスト(政権公約)違反」と批判し、一体改革法案成立直後の衆院解散・総選挙を求めた。

 首相は「最低保障年金など各党固有の政策を撤回したわけではない」と反論した。「一体改革を含め、やらなければいけないことをやり抜いた暁に、国民に信を問いたい」と早期解散も否定した。

 3党合意が、衆院解散を条件とせず、最低保障年金制度などの問題を棚上げで決着させた以上、谷垣氏の要求は説得力がない。谷垣氏が「公約違反」に固執し過ぎると、形を変えた「マニフェスト至上主義」に陥ってしまう。



7/8付朝日
 野田首相は、沖縄県の尖閣諸島の3島を政府が買い上げる方針を明らかにした。

 政府による安定した管理のもと、領有権を主張する中国や台湾との緊張を和らげる第一歩とすることを期待する。

 尖閣諸島をめぐっては東京都がすでに購入に動いている。何かにつけ中国への敵意をむき出しにする石原慎太郎知事だ。都が購入すれば、中国との間で緊張が高まる懸念があった。

 石原氏は政府の購入計画に積極的に協力すべきだ。

 国有化すれば、中国などの反発は必至だ。しかし、長い目で見れば、政府の管理下、いらぬ挑発行為を抑え、不測の事態を避けるのが目的だ。中国には冷静な対応を望みたい。


7/12付朝日
 小沢氏は政治資金をめぐる刑事裁判の被告である。

 一審判決は無罪だったが、国会や国民に対するいっさいの説明責任から逃げ続けている。

 けじめをつけないまま、新党の党首として政治の表舞台に立つ。私たちはそもそも、そのことに同意することはできない。

【説明責任って、お前らが勝手に押し付けているだけだろ。裁判でちゃんと結果が出たんだから何ら問題ない。】


7/10付読売
 どのような手順を踏むにせよ、着実に国有化することが肝要である。政府と都の間で調整を急がねばならない。

 日本政府の国有化方針に対し、中国は「中国の神聖な領土を売買することは絶対許さない」とする談話を発表した。

 だが、中国が領有権を主張し始めたのは、周辺海域での石油埋蔵が判明した後の1971年だ。

 日本は1895年、国際法に基づき尖閣諸島を領土に編入して、実効支配している。それを事実上黙認していた中国が、後から領有権を主張するのは不当である。

 中国の漁業監視船は毎月のように尖閣諸島周辺に近づき、示威行為を繰り返している。

 今月には台湾の巡視船などが日本の領海内に入った。

 こうした挑発活動は、日中、日台関係を損なうだけである。強く自制を求めたい。

【右翼のご機嫌取りたいだけの馬鹿=読売、石原。】


7/11付読売
 玄葉外相がクリントン米国務長官と会談し、海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの日本配備に関連して、今年発生した2件の墜落事故の原因の情報提供を要請した。

 クリントン長官は、「安全性について調査を徹底的に行い、結果を日本と共有する」と約束するとともに、日本配備の方針は変更しない考えを表明した。

 日本への情報提供に前向きな米側の姿勢は評価できる。

【アメリカに要らんおべんちゃらしたいだけの馬鹿=読売始めとする大半の日本メディア】


7/12付読売
 小沢氏は、「脱原発を鮮明にしていきたい」とも語った。場当たり的な感は否めない。電力の安定供給をどう実現するのか。


7/10付日経
 尖閣諸島の実効支配を保ち、強めていくのは政府の責務である。同諸島を守るための対策は万全かどうか。「海の警察」である海上保安庁の体制も含め、これを機に洗い直すべきだ。

 この問題などで日中関係がさらにこじれることも考えられる。政府は領土問題で毅然とした対応をとる一方で、中国との対話にも努めてもらいたい。


7/12付毎日
 小沢氏が言う通り、「国民の生活が第一」は政治の要諦だ。「増税前にすべきことがある」との主張も間違っていないし、「自立と共生」を理念とし、国民、地域、国家の主権を確立するとした新党の綱領も妥当な内容だろう。ただし、「反増税と脱原発」のスローガンだけで納得するほど有権者は単純ではない。


7/13付朝日
 中国側には、さきに尖閣諸島購入を表明した東京都の石原慎太郎知事の動きに乗じて、日本政府が国有化によって現状を変えようとしている、という受け止め方がある。

 誤解である。

 民間所有であっても、都や国の所有であっても、日本の領土であることに違いはない。しかし、都が買った場合、中国に強硬な姿勢をとる石原氏が挑発的な行動に出る恐れがある。

 予期しない事態の発生を防ぐためには、国有化は理にかなっている。

 長い目で見れば両国の利益になることを、中国側は理解すべきである。

【誤解だろうが何だろうが、そんなこと思わせるような行為に出た方が負けである。】


7/13付読売
 3月にも中国巡視船が日本の領海に入った。中国は今後、巡視船を増強する方針だ。海軍拡充も著しい。尖閣諸島周辺海域で緊張が高まることは避けられない。

 日本政府は、尖閣諸島に不法上陸される事態に備え、海保や警察の体制強化を図るとともに、必要な法整備を急ぐ必要がある。

 国会は、離島での海保による犯罪検挙を認める海上保安庁法改正案について、なぜ審議入りしないのか。早く成立させるべきだ。

 中国を抑止するため、最も重要な役割を果たすのが日米同盟だ。米政府が尖閣諸島について、日米共同防衛の対象地域だと明言していることは極めて重要である。

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