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2012年7月28日 (土)

社説を読む 第25回


7/22付朝日
 自民党が国会に提出した国土強靱(きょうじん)化基本法案は「先祖返り」ともいえる内容だ。

 基本理念として「国土の均衡ある発展」「多極分散型国土」「複数国土軸の形成」といったことばが並ぶ。60年代から90年代に5次にわたってつくられた全国総合開発計画(全総)のキーワードだ。「3年で15兆円」「10年で200兆円」と、事業費の目標も掲げている。

 全総の策定や事業費の明示がバラマキの一因になった。その反省から、自民党政権時代に方針転換したのではなかったか。

 公明党が骨子をまとめた法案も、ソフト面の対策の必要性に触れながら「10年で100兆円」とうたっている。

 バラマキ合戦の根っこは、3党による消費増税法案の修正協議にある。増税で「財政による機動的対応」が可能になるとし、「成長戦略や防災・減災に役立つ分野に資金を重点的に配分する」と法案の付則に盛り込んだ。このままでは、公共事業のための増税になりかねない。

 公共投資を増やせば、目先の経済成長率は高まる。近づく国政選挙への対策のつもりでもあるのだろう。しかし、そうした発想が財政赤字の膨張を招いた歴史を忘れてもらっては困る。


7/23付朝日
 1970年に定められた著作権法も改正されてきた。今の国会では、自民党や公明党の議員立法によって、海賊版をダウンロードした場合に罰則が科されることになった。

 これまでの改正は、組織力も資金力もある音楽や映画、出版などの業界や著作権団体が、政治家や行政に働きかけた例が多い。今も電子書籍化に対応し、出版社のための権利を新たに設けようとする動きがある。

 著作権法について話しあう文化審議会の分科会も、利用者代表は30人中で数人にとどまる。

 著作者やその継承者の権利を強める動きに、利用者の立場が十分に反映されているとは言いがたい。無法な複製は許されないが、あまりに制限されていると感じられるのも、息苦しい。


7/23付日経
 日本は農業分野で保護主義の代表格として世界から批判を浴びている。欧州連合(EU)や米国、カナダにも政府調達、反ダンピング措置、再生エネルギーの固定価格買い取り制度などで、排他的な政策が散見される。


7/24付日経
 野田佳彦首相のこれまでの対応には苦言を呈したい。核兵器の持ち込みと異なり、通常装備の更新であるオスプレイ配備は日米合同委員会の事前協議事項ではない。だからといって「(日本が)『どうしろこうしろ』という話ではない」といってすませるのでは無責任だろう。


7/21付毎日
 オスプレイは開発段階から事故が相次ぎ、4月にモロッコ、6月には米フロリダ州で墜落事故が起きた。沖縄や山口、訓練空域下の各県で安全性への懸念が広がっている。

 仲井真弘多沖縄県知事は「断然拒否」と述べ、県内で事故が起きれば「全基地即時閉鎖という動きになる」と語った。普天間を抱える宜野湾市長ら沖縄の首長が相次いで配備中止を政府に申し入れ、全国知事会も安全が確認されないままの国内配備に反対する緊急決議を採択した。

 普天間飛行場は住宅密集地にある「世界一危険な基地」(ラムズフェルド元米国防長官)だ。フェンスを隔てて小学校が隣接し、04年には近くの沖縄国際大学に同飛行場所属の輸送ヘリが墜落、炎上した。オスプレイの事故におびえながら暮らさなければならない周辺住民の不安、苦しみは察するに余りある。

 野田佳彦首相は「配備は米政府の方針であり、(日本から)どうしろこうしろと言う話ではない」と語った。日米安保条約上は事前協議の対象ではないと言いたいのだろう。しかし、危険性への懸念を事前協議のテーマかどうかで処理する感覚を疑う。危険性を理由に移設することになっている、その普天間にオスプレイを配備しようというのも、これを容認する首相発言も、沖縄の実情を無視した対応で、無神経過ぎる。


7/24付毎日
 検証の結果、はっきりしたこともある。事前の備えや的確な事故対応がなされていれば、事故や被害をここまで拡大させずにすんだろう、という点だ。

 東電自身の事故防止策に不備があったことは動かしがたい事実だ。津波対策も過酷事故対策も極めて不十分だった。政府事故調の調査で事故対応にも不手際があったことがわかったが、これも備えが不十分だったからだろう。

 作業にあたった人々を責めることはできないが、過酷事故のリスクより経営のリスクを優先した東電の責任は重い。東電自身の事故報告書は言い訳に終始したが、政府や国会の報告を真摯(しんし)に受け止め、検証もやり直すべきだ。

 政府にも大きな問題があった。規制する立場でありながら規制される側の電気事業者にとりこまれ、必要な安全規制の導入を怠ってきた。国会事故調の「人災」との指摘はもっともであり、電力会社と政府は事故の「共犯」といってもいいだろう。

 政府の危機管理にもさまざまな不手際があった。官邸自身の問題に加え、官邸に正確な情報と助言を提供する専門家集団であるべき原子力安全・保安院や原子力安全委員会がまったく役に立たなかった事実に改めて愕然(がくぜん)とする。

 政府事故調が検証した双葉病院の実態は、弱者の救出が遅れるリスクも浮き彫りにした。結果的に亡くなった人も多く心が痛む。このケースに限らず避難は混乱を極め、多くの人が何回も移動を余儀なくされた。現場への情報伝達、事前の避難計画の不備が多くの人を放射能のリスクにさらした。大きな反省材料だ。

 ふに落ちないのは、検証でこれだけ多くの課題が示されているにもかかわらず、野田内閣や国会の反応が鈍いことだ。真剣に取り組む意思が見えず、姿勢に問題がある。

◇みんなで読み考えよう

 指揮命令系統の整理や、緊急時の広報専門官の配置、地元への情報提供の仕組み作りなど、すでに終わっていなければならない対応は多い。使用済み燃料プールの事故防止対策もそうだ。

 にもかかわらず、こうした作業が実質的に進められている形跡はない。同じような事故はすぐには起きないとたかをくくっているのだとしたら、考えが甘い。検証結果が公表される前に大飯原発を再稼働させたことにも改めて疑問を感じる。

 政府は、まず、これまでの検証を基に政府として対応すべきことを早急にまとめる必要がある。そのためにも、国会で各機関の検証を踏まえた集中審議を行うべきだ。この中で検証の食い違いについても議論を尽くし、政府として対応策を決定しなくてはならない。

 その上で、それぞれの対策が実際に実行されているかどうかを追跡し、国民に示していく必要がある。それに責任を持つ組織を設置した方がいい。

 政府は今、2030年までのエネルギー政策の選択肢を示し、国民の意見を聞く作業を進めている。私たちは、政策を選びとるための課題と対策を、これから社説シリーズで考える。

 議論のとっかかりとして、事故調報告を読んでみることを提案したい。福島の過酷事故を経験した私たちが、今後、どういうエネルギー政策を望むのか。それを考える土台は原発のリスクにある。

 政府と国会の事故調報告は膨大だがインターネットからダウンロードして読める。国会事故調は論点がはっきりしていて比較的読みやすい。政府事故調の報告は読みにくいという欠点があるが、細かい分析では優れている点がある。夏休みの「宿題」としてみんなが読み、周りの人と議論してほしい。日本の未来を選ぶ鍵が、そこにはあるはずだ。


7/24付朝日
 米政府にも、ことの深刻さをよく考えてもらいたい。

 沖縄県の普天間飛行場に配備される予定の米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイ12機が、山口県の米軍岩国基地に陸揚げされた。

 国内ではオスプレイの安全性への懸念がますます強まっているが、日米両政府は普天間配備と本土での飛行訓練の計画は変えていない。

 だが、それは日米同盟の根幹に影響しかねないリスクをはらんでいる。米政府はそこを十分に理解すべきだ。


7/25付日経
 法制審がまとめた会社法改正の原案は、社外取締役の義務づけを見送るかわりに、社外の人材を招かない企業はその理由を説明するという折衷案を示した。これに対しても、経済界の一部は賛同していないという。

 日本企業の株式の4分の1を持つ外国人投資家には、内部の昇格者だけで経営する企業は異質で分かりにくいと映る。日本企業への不透明感が晴れなければ、海外から株式市場に流入するお金も細りかねない。経営の中身に問題がないのなら、社外取締役を起用しない理由くらいは株主の不安を払拭するために説明したらどうか。


7/25付日経
 9月に発足する予定の原子力規制委員会の人事の国会への提示が遅れている。政府が先週固めた人事案が日経新聞や読売新聞に掲載されたことを不満として、一部の野党議員が審査を拒否する構えをみせたためだ。

 委員長候補が適任かどうか。人物本位で審査して反対の論陣を張るのならば理解できる。規制委メンバーを任命する際に国会の同意を必要とする仕組みにしたのは、広く与野党の意見を聞いた方がよいという理由からだ。

 事前報道された案をなぜ認めないのか。「国会審議の形骸化につながる」との弁を聞いても意味がよく分からない。

 こんな混乱が起きるのは与野党が2007年に「国会同意人事では事前報道された案は受け付けない」と決めたためだ。野党だった民主党の西岡武夫参院議院運営委員長(のち議長)が強く主張した経緯から西岡ルールと呼ばれる。

 政府は国会同意を迅速に得るため、人事案を故意に報道機関に漏らして既成事実化させ、野党を押し切ろうとするものだ――。西岡氏はそう疑ったようだが、今回の騒動をみても事前報道が政府に有利に働くとは限らない。

 報道規制を招くおそれのある西岡ルールは直ちに撤廃すべきだ。

 報道機関は国民の関心が高い事柄を一刻も早く伝えるべく努力している。故意の情報漏洩がなければ人事案を入手できないと思われては心外だ。事前報道への物言いは筋違いと反論しておく。

 規制委人事を巡り与野党は同ルールを適用しないことでいったん合意していた。原子力に詳しい専門家はそう多くなく、下馬評に上がった人をすべて門前払いしたら人材が払底するからだ。一転してルール違反を言い立てる議員が出てきたのはどうしたことか。

 規制委人事がなかなか確定せず、原子力発電の安全管理への取り組みが遅れて迷惑するのは国民だ。つまらない体面にこだわって国会議員の職務の本質を見失うようでは困る。


7/26付朝日
 政府が候補としているのは、前原子力委員長代理の田中俊一氏ら5人。過去3年間に、原子力関連業界から年50万円以上の報酬を受けていないことなどを基準に人選した。

 これに対し、「原子力ムラと関係の深い人物が多い」との声が上がっている。特に委員長に想定されている田中氏は旧日本原子力研究所の出身で、原子力学会の会長も務めた経歴から、「原子力ムラの中心」と批判を浴びている。

 たしかに、経歴を見れば原発の推進側にいたことは間違いない。一方で、原子力規制を担う委員会に、高度な専門知識が必要なことも事実だ。

 肝心なのは、脱原発依存にかじを切ろうとしている現状を深く認識し、厳しく規制にのぞむ姿勢をもちあわせているかどうかである。

 田中氏は事故直後、「原子力利用を先頭に立って進めてきた者として、深く陳謝する」とする緊急提言をまとめた専門家16人の中心人物で、老朽化した原発にも厳しい目を向けているとされる。評価は分かれる。

 国会同意人事のうち特に重要な案件は、衆参両院の議院運営委員会で候補者の所信を聞き、質疑応答をすることになっている。日銀総裁・副総裁や会計検査院の検査官、公正取引委員会の委員長などが該当する。

 原子力規制委も、このルールの対象とすべきだ。

 候補者のこれまでの活動や原子力事業者との関係について情報公開を徹底させるのは当然として、候補者当人から新しい原子力規制や再稼働問題に対する識見、姿勢を表明してもらい、国民に広く伝わる形で検討するのが国会の責務だろう。

 問題は、人事がまたもや政局に利用されていることだ。事前に読売新聞に情報が漏れたとして自民党が態度を硬化させ、人事案の国会への提出自体が遅れている。

 新たな原子力規制は、待ったなしである。本質と関係のないところで時間を浪費する愚は、いい加減やめるべきだ。


7/26付毎日
 結婚ができない、子どもが産めないという現役世代の貧困は少子化をさらに悪化させ、子育て世帯では子どもの健康や教育に暗い影を落としている。経済にも悪影響を及ぼす。可処分所得が国民の平均値の半分に満たない「相対的貧困」を見ると、日本の子育て世帯は14.2%で、先進国では最も高いレベルだ。子育て世帯の失業率は0.4%。働いているのに貧困にあえいでいる子育て世帯がいかに多いかを示している。

 もともとわが国は正社員の男性が一家の生活費をまかなう賃金を得るという考え方が強く、主婦のパートや学生アルバイトなどの非正規労働者の賃金は低く抑えられてきた。90年代以降に労働者の非正規化が進められ、現在では被用者全体の4割近くを占めるに至ったが、伝統的な雇用・賃金モデルは変わらず、非正規労働者は労使の賃金交渉から排除されてきた。最低賃金の改善が始まったのは、07年の最低賃金法改正で地域ごとに最低賃金を定め、違反者への罰金が2万円以下から50万円以下へと引き上げられてからだ。

 経営者側は最低賃金引き上げへの反発が強いが、相対的貧困を下回る現役世帯のうち、2人以上が働いている世帯が39%を占めている。米国の2倍、スウェーデンやフランスの3倍だ。夫婦共働きでも相対的貧困から抜け出せない社会は異常としかいいようがない。


7/27付朝日
 候補者のこれまでの活動や原子力事業者との関係について情報公開を徹底させるのは当然として、候補者当人から新しい原子力規制や再稼働問題に対する識見、姿勢を表明してもらい、国民に広く伝わる形で検討するのが国会の責務だろう。

 問題は、人事がまたもや政局に利用されていることだ。事前に読売新聞に情報が漏れたとして自民党が態度を硬化させ、人事案の国会への提出自体が遅れている。

 新たな原子力規制は、待ったなしである。本質と関係のないところで時間を浪費する愚は、いい加減やめるべきだ。



7/21付朝日
 時間の余裕はない。国際社会はシリアのアサド政権に対し、あらゆる手段で包囲網を狭めるべきだ。同時に、政権の崩壊を見据え、新体制の輪郭づくりを急がねばならない。

 混乱による犠牲者は推定1万6千人を超えた。ダマスカスでは、爆発事件で国防相やアサド大統領の義兄らが殺された。政権と反体制派の報復の連鎖は、いっそう激化しよう。現政権の先は長くないかもしれないが、市民の危機を放置できない。

 なのに国連安全保障理事会は亀裂をあらわにした。アサド政権に10日以内に市街地から軍を撤退させることなどを求める決議案は廃案になった。安保理がシリア決議に失敗したのは、これで3度目だ。ロシアと中国が制裁に反対し、ことごとく拒否権を使うからだ。

 これほど事態が悪化しての決議の再三の失敗は、2003年のイラク開戦をめぐる安保理の決裂以来の禍根といえる。

 ロシアにとって、シリアは軍事・政治的な利権がからむ友好国だ。中国と手を組み、米欧による紛争介入に抵抗するのはいつものことだが、人道の危機は急を告げている。大国の国益を優先する振る舞いは時代錯誤というほかない。

 米国、英国、フランスも、ロ中両国を非難するばかりでは責任逃れといえる。米国は11月の大統領選挙をひかえる。経済危機の西欧も、他国の紛争にかかわることに及び腰だ。米欧の退潮と中ロの台頭という新たな国際秩序が影を落とす。

 米欧は、アサド政権の関係者の資産凍結や原油取引の禁止など、国連の枠外で科している制裁をさらに強める必要がある。そのうえで、前国連事務総長のアナン氏が進めるシリアの国民各派による政治対話を、力を入れて支援すべきだ。

 市民の大量殺害に手を染めたアサド大統領への退陣要求は当然だ。重要なのはその後の、国民各派を代表する民主的な新体制への平和的な移行にある。


7/21付読売
 田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問を委員長に充てる人事案を読売新聞や日本経済新聞が事前に報じたことに対し、自民党などが「国会提示前に報道されたのは問題だ」と反発したためだ。

 国会の役割は、候補者の能力を吟味し、人事案の可否を判断することだ。それと何ら関係のない事前報道を問題視し、同意手続きに入らないのは筋違いである。

 国会の同意が遅れれば、政府は人事を発令できず、9月上旬に予定している規制委の発足がずれ込む恐れもある。原子力発電所の再稼働に向けて、原発の安全性を審査する規制委の速やかな始動は最優先の課題ではないか。

【「規制」の意味を捻じ曲げる糞新聞。それがゴミ売。】


7/22付読売
 鳩山氏は首相官邸前で行われた反原発再稼働デモにも参加した。大衆迎合そのものではないか。

【電力業界迎合をしているお前らよりよっぽどましだろ。】


7/22付読売
 シリアの首都ダマスカスの中心部で、治安機関施設が爆破され、会議中だった国防相や国家治安局長、アサド大統領の義兄である国防次官らが死亡した。反体制派「自由シリア軍」が、犯行声明を出した。

 比較的治安が安定していたダマスカスだが、今月中旬から反体制派による攻撃が相次いでいた。

 厳戒をかいくぐって体制の中枢が直撃された意味は重大だ。

 駐イラク大使や精鋭部隊の准将などエリートの離反が始まった。多数の住民が国外に脱出している。反体制派の武装蜂起と国際的な孤立で、アサド体制は内部からほころび始めたのではないか。

 火力で優勢な政府軍は、ダマスカスなど各地で報復に乗り出した。政府軍と反体制派の双方が攻撃をエスカレートさせており、停戦の機運はまったく見えない。

 治安がここまで悪化したのは、アサド政権の責任が大きい。国連とアラブ連盟の特使を務めるアナン前国連事務総長が示した停戦調停案を受け入れると表明しながら、実行しなかったからだ。

 国連の停戦監視団の任期切れを前に、安保理で米欧が、アサド政権に経済制裁を警告する決議案を出したのは当然である。だが、ロシアと中国が拒否権を行使して廃案となった。

 対シリア決議案で両国の拒否権行使は昨年から3度目だ。軍事的に深いつながりを持つロシアがアサド政権をかばい、中国が同調する図式が今回も繰り返された。

 ロシアは、アサド政権の延命に固執せず、流血停止に向けて影響力を行使すべきである。


7/23付読売
 大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽事件を受け、笠間氏はこの1年半、捜査のチェック体制の構築や倫理規定の策定、取り調べの録音・録画(可視化)の試行などを主導してきた。改革に一応の道筋をつけての退任と言えよう。

【どこが?つい最近あったのあのとんでもない歪曲事件は無視ですか。】


7/23付読売
 国連平和維持活動(PKO)協力法の制定以来、20年持ち越された重要課題の解決に向けて努力を重ねることが大切だ。

 内閣、外務、防衛の3府省がPKO協力法改正案をまとめた。自衛隊が、離れた場所にいる民間人らを助ける「駆けつけ警護」を可能にすることが柱だ。

 民主党内には慎重論があり、今国会への改正案提出は困難視されているが、できるだけ早期に閣議決定してもらいたい。

 現行法では、PKOに従事中の自衛官は、正当防衛などの目的でしか武器を使えない。このため、暴動などに巻き込まれた民間人から救援要請を受けても、現場に駆けて救出することができない。

 武装勢力など「国に準じる組織」に対して武器を使った場合、憲法の禁じる「他国への武力行使」に当たる恐れがある、との見解を内閣法制局が示しているからだ。

 だが、自衛隊が民間人、特に日本人からの救援要請を受けた際、「憲法に抵触する恐れがある」として断ることが、実際にできるだろうか。そうした事態は、いつ発生してもおかしくない。

 結局、とりあえず救援要請のあった場所に向かい、自分の身が危うくなったら、武器を使う――。そんな厳しい、ぎりぎりの決断を部隊指揮官に迫るような法律は、やはり改正する必要がある。

 自衛隊がPKOに参加し始めた初期の段階では、国内世論の賛否が分かれていた。自衛官の武器使用を抑制的にすることにも一定の意味があったかもしれない。

 だが、今や、自衛隊のPKO参加は圧倒的多数の国民に支持されて定着し、自衛隊の本来任務に格上げされている。様々な経験や現場のニーズを踏まえ、活動の実効性を高めるよう、武器使用のあり方を見直すのは当然だ。

【世論の歪曲。】

7/22付日経
 ここまでの混迷を招いた責任の一端は、事態を放置してきた国際社会にある。なかでもロシアと中国の責任は重い。国連安全保障理事会は19日、アサド政権への制裁を警告する決議案を常任理事国であるロシアと中国の拒否権行使により否決した。両国がシリア決議案の採決で拒否権を行使するのは3度目である。

 ロシアにとって、アサド政権は中東の重要な友好国だ。中国も内政干渉に反対する。しかし、圧力強化を求める米欧と対立を繰り返している間に犠牲者は増え、事態収拾の機会を逃してきた。


7/21付毎日
 シリアに関する露中の拒否権行使は昨年10月と今年2月に続いて3回目だ。今回の決議案は英仏米など5カ国が共同提案し、政権側が10日以内に停戦に応じなければ国連憲章第7章第41条に基づく経済制裁を発動するとの内容だった。しかし露中はアサド・シリア政権への圧力は情勢悪化を招くとの持論を変えず、米欧に歩み寄ろうとしなかった。

 では露中がアサド政権に対して独自の働き掛けをしているかといえば、そうでもない。沈静化への妙案も努力もなく米欧の決議案に反対し続けているのなら安保理常任理事国にあるまじき無責任な行為である。

 それに、シリア情勢は急速に変わりつつある。18日に首都ダマスカスで起きた爆弾事件はラジハ国防相ら要人の命を奪い、反体制派が着々とアサド政権の中枢部に迫っていることを感じさせた。国境地帯でも反体制派は支配圏を広げているようだ。


7/25付読売
 7月15~16日の聴取会で、電力会社の社員が社名を明かしたうえで原発の利用継続を主張したところ、脱原発を求める出席者から強い批判を浴びた。

 すると政府は急きょ、電力会社と関連会社の社員に意見表明を認めない方針を決め、22日に開かれた2か所の聴取会では、電力関係者4人に発言を辞退させた。

 電力関係者というだけでエネルギー政策に関する意見表明を封じるのは、言論の自由を抑圧することにならないか。政府は、途中でルールを変更した理由をきちんと説明する必要がある。

(中略)

 そもそも、政府の示した3選択肢はいずれも、水力を含めて現在約10%の再生可能エネルギー比率を25~35%に引き上げる想定だ。経済界などでは、とても達成できないとする声が強い。

 このままでは、どの選択肢を採用しても、電力を安定供給できる現実的な電源構成となるまい。

【意見を聞くにあたってその当事者が口を出してはいけないことはあまりにも当たり前のことだと思うのだが、そんなこともわからない馬鹿で構成されているらしい読売。】


7/25付読売
 米軍の新型輸送機MV22オスプレイが岩国基地に陸揚げされた。一部で反対活動が行われたが、大きな混乱はなかった。

 日米両政府は、今年発生した2件の事故報告書が公表され、安全性が確認されるまで、オスプレイを日本で飛行させないことで合意している。搬入にまで反対するのは、明らかに過剰反応だろう。

 山口県で行った読売新聞の世論調査でも、岩国基地への一時駐機に「安全性が確認されれば賛成」との回答が54%に上っている。

 MV22の事故率は海兵隊の全航空機の平均以下なのに、オスプレイだけが危険であるかのような主張は現実離れしている。

 そもそも、事故が絶対に起きない航空機はあり得ない。安全性については、感情的にならず、冷静に議論する必要がある。

 肝心なのは、日米同盟の重要性を踏まえ、オスプレイの安全性を十二分に確認するとともに、10月の沖縄・普天間飛行場への配備を予定通り実現することだ。

(中略)

 疑問なのは、民主党の前原政調会長が「沖縄、山口の民意を軽く考えすぎている」などと語り、オスプレイの配備延期を公然と求めていることだ。

 前原氏は、外交・安全保障通の与党幹部として、本来、配備先の自治体などに協力を求めるべき立場にある。政府・与党の足並みが乱れていては、地元の理解を広げることは到底できない。

 日本側から日米同盟を揺るがすことがあってはならない。

【地元の声を無視するのが正しいらしい。アメリカのためなら日本人の意見などどうでもよいらしい。】


7/25付毎日
 ヤンキースに電撃移籍したイチロー選手が2連覇に貢献したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について、日本のプロ野球選手会は来年3月の第3回大会に参加しない方針を全会一致で決議した。大会を運営する米国側が収益の7割近くを手にする配分構造が不平等だとして見直しを求めていたが、具体的な回答が得られないため「ノー」を突きつけた格好だ。ファンの思いに配慮しつつ、日本球界の将来を見据えて下した決断を評価したい。


7/25付毎日
 首相当時、普天間飛行場の移設問題で迷走の末にまとめた日米合意は「最低でも県外」の約束とまさに「真逆」だった。

 デモに議員が参加するのは自由だが、首相時代に国際公約した二酸化炭素削減目標の達成と原発の関係をどう整理したのか。行政のムダをなくす「シロアリ退治」もそこそこに政権を投げ出したのも鳩山氏である。

【投げ出させたのが、荒唐無稽な歪曲された濡れ衣は着せ続けたお前らマスコミである。】


7/26付日経
 仕事に就くより、生活保護を受ける方が暮らしに余裕があるというのでは、働く意欲を失いかねない。逆転現象はできる限り是正すべきだ。

 ただ、生活保護受給者の就労促進は、最低賃金を引き上げ、生活保護の給付水準を下げればいいという次元のものではない。日本経済の成長エンジンとなる新しい産業を育て、雇用機会を創出する総合的な施策も欠かせない。

 引き上げ額の目安は2年連続で10円を割り込んだ。依然として厳しい中小・零細企業の経営状況や復興が遅れている被災地のことを考えれば、やむを得ない。

 無理な賃金の引き上げは、円高など日本経済を取り巻く厳しい環境からみても現実的ではない。企業の収益を圧迫し、採用減を招いて労働者の雇用機会そのものが失われてしまっては本末転倒だ。


7/27付朝日
 内戦で体制が倒れたリビアの場合は、反体制派の主力だった国民評議会が早い段階で「リビアの代表」として国際的な認知を受け、武力闘争も評議会と連携して行われた。その結果、体制崩壊後の民主化も国民評議会主導で進んだ。

 それに対して、シリア国民評議会に対する国際社会の認知は進んでいない。国外で活動する国民評議会が国内の反体制運動とのつながりが弱かったことが理由でもあるが、国際社会も直接にシリア国内の反体制派と連携できるわけでもない。

 首都が陥落してアサド体制が倒れても、それで反体制派の勝利とならない可能性が強い。

 現体制の中核である少数派のイスラム教アラウィ派が、北西部ラタキア県などを抵抗の拠点にし、化学兵器もそのまま同派の武器となるシナリオもありうる。同じく少数派で体制を支えたキリスト教徒の問題もある。


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