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2012年9月15日 (土)

社説を読む 第29回


9/9付朝日
 対策を準備しておくべき地域は、原発の8~10キロ圏内から30キロ圏内へと拡大される。

 問題は、現実的な防災計画が立てられるかだ。

 東海第二原発(茨城県)の周辺人口は約107万人、浜岡原発(静岡県)は約94万人に及ぶ。一斉避難は不可能だ。

 かたや過疎地も、幹線道路が1本しかなく、地震や津波による遮断や冬季の凍結が懸念される地域が少なくない。

 こうした地域についてはむしろ、廃炉を考えるべきだ。

 原発の運転期間は稼働から40年を厳守することも決まっており、ここ数年で寿命を迎える原発もある。

 ただでさえ、防災を名目にした公共事業予算の膨張が懸念されている。

 多大な負担を強いて防潮堤や道路をつくるより、原発依存から脱却した後の地域の立て直しや新しい産業の育成に力を注いだほうが効果的なケースも出てくるだろう。

 もちろん運転を止めても、当面、燃料棒や核汚染物質は残る。施設や設備が完全に撤去されるまで事故のリスクがある。油断は禁物だ。

 だが、危険の種類や度合いが変われば、対策の立て方も違ってくるはずだ。

 政府は脱原発政策の具体化として、古い原発や危険のある原発を仕分けする作業を急ぎ、防災計画を実効性のあるものにしなければならない。


9/11付朝日
 「沖縄の青い空は私たち県民のもの」という大会での声は、その思いを伝える。県民らは、米軍基地をめぐって構造的な差別があると感じている。

 たとえば、米国はすべての軍飛行場のまわりに、発着の安全確保のため、建築物を一切建ててはならない「クリアゾーン」をおくと義務づけている。

 ところが、普天間飛行場では危険なクリアゾーンが外にはみ出し、そこに普天間第二小学校など18施設があり、約800戸に3600人がくらす。

 本国では運用できない基地を沖縄では使い、新たにオスプレイ配備も進める米国の姿勢は、命を軽視する二重基準や差別であると、県民には映る。

 沖縄で、米軍機の墜落事故は数々のいまわしい記憶につながる。59年には沖縄本島中部、石川市(現うるま市)の宮森小学校に戦闘機が墜落した。パイロットは直前に脱出して助かったが、児童ら18人が死に、210人が負傷した。

 基地の負担は、県民の受け入れられる我慢の限界を超えている。また、現実の問題として、米軍は住民に嫌われて、基地を円滑に機能させられるのか。県民大会に集まった人たちは、普天間飛行場のフェンスに黒いリボンをくくりつけた。

 計画にこだわって配備し、その後に万一のことがあれば、日米関係を大きく傷つける。

 本土は、沖縄がどんなに苦しい状況にあるかを知らなくてはならない。野田首相はこの声を受けとめるべきだ。そして沖縄の人たちに対して「配備は米政府の方針」という言い方ではなく、自分の言葉で話すべきだ。米国との交渉も必要だ。

 一日も早く、普天間飛行場を返還させる日米合意の原点に戻ろう。そして、名護市辺野古への移設が無理なことも、県民大会の声を聞けば明らかだ。

9/11付日経
震災の被災地復興はこれからが本番だ

【震災1年半にあたって社説を掲載したのは、(四大紙の中では)日経のみ。】


9/12付毎日
 政府が今週初めを目指していた新たなエネルギー・環境戦略の策定が先送りされた。「2030年代の原発ゼロ」を目標に掲げることの是非などをめぐり政府・民主党の最終調整がついていないためだ。野田佳彦首相は週内には方向性を決めるとしているが、説得力のある工程表に基づき将来の「原発ゼロ」を明示するよう改めて求める。

 新たなエネルギー戦略の議論では核燃料サイクルの位置づけも大きな焦点になっている。

 使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し高速増殖炉で燃やす核燃料サイクルを完成させることは、日本の原発政策の要となってきた。だが青森県六ケ所村の再処理工場は当初の97年完成予定が18回にわたって延期となり、コストは3倍近くに膨れ上がった。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)も火災など度重なるトラブルで実用化のめどは全く立っていない。

 将来が見通せない核燃サイクルは実現性、経済性、安全性からいって幕引きが望ましい。東京電力福島第1原発事故を受け長期的に原発ゼロを目指すのなら、維持する必要はいっそうないだろう。

 こうした中で、核兵器を開発・保有する可能性を将来にわたって残しておくためにも、プルトニウムを使う核燃サイクルは維持すべきだとの意見がある。いわゆる潜在的核抑止論だ。しかし、これもまた説得力のある議論ではない。

 日本が核兵器を持つことは核拡散防止条約(NPT)体制の否定を意味し、北朝鮮のように国際的な孤立を招くことになる。エネルギー禁輸などの制裁を受ければ、資源を海外に頼る日本は生きていけない。狭い国土で核実験は困難だし、核の傘を提供している米国は日米同盟の否定と受け止めるだろう。アジアの核軍拡にもつながることを考えれば、日本の核武装がもたらすマイナスの影響は計り知れない。

 それでも、日米同盟が永続する保証はないし、将来の核保有を選択肢として残しておくだけでも外交カードになる、との主張も根強い。核燃サイクルからの撤退はそうした潜在的な核抑止力を失うことを意味する、という反対論が日本の政治家や外交当局にあることは事実だ。

 ただ、不確定な未来の国際軍事環境に備えることが、核燃サイクル維持の決定的な論拠になるとは思えない。日本は潜在的な核抑止にこだわるより、核保有国にはならないことを明確にして核軍縮を先導する方が世界の信頼を得られるだろう。核燃サイクルの是非は、防衛政策ではなくエネルギー政策の観点で現実的に判断すべきである。


9/13付毎日
 河野談話は慰安婦問題の調査報告書とともに発表された。組織的な強制連行を認めたものではないが、慰安所の設置や慰安婦の移送などに旧日本軍が関与し、「総じて本人たちの意思に反して行われた」として、多数の女性の尊厳と名誉を深く傷つけたと謝罪する内容だった。

 韓国側もこの調査報告書を「韓日間の最大の障害物が解消されたことになる」(当時の韓昇洲外相)と評価し、それ以上は外交問題にしない姿勢を示していた。慰安婦問題という深いトゲを抜くため、苦労してたどり着いたのが河野談話だったはずだ。両国の政治家はその原点に立ち返って行動してもらいたい。

 日本では松原仁国家公安委員長が河野談話の見直し論議を提起するなど、竹島問題と慰安婦問題をからめる李大統領への反発が強い。自民党総裁選に出馬表明した安倍晋三元首相も、首相になれば新たな政府見解を出す考えを明らかにした。

 だが河野談話に基づき実施された民間主体の償い金事業や医療・福祉事業は韓国だけでなくフィリピン、インドネシア、オランダ、台湾など数カ国・地域にまたがっていて、実施対象の元慰安婦は300人を超える。日本政府が「女性に対する暴力」を深刻な人権問題と認識していることを示したのが河野談話であり、そこから後退する印象を国際社会に与えることは外交的にもマイナスだ。


9/14付朝日
 いずれも、民主、自民、公明の3党合意を守ると語っているのはいい。だが、持続可能な年金や高齢者医療制度など、結論の出ていない課題にどんな答えを出すのか。

 それをなおざりにして、「国土強靱(きょうじん)化」に名を借りた公共事業拡充に熱を入れている場合ではない。

 原発・エネルギー政策もあいまいだ。

 5氏は、再生可能エネルギーを広げ、状況を見極めて原発の扱いを判断する、などと言っている。これでは「脱原発」の世論が静まるのを待って、原発の維持をねらっているのかと受け取られても仕方がない。逃げずに明確に考えを示すべきだ。

 気がかりなのは、安全保障政策だ。5氏とも集団的自衛権の行使を容認すべきだと主張している。党の方針に沿ったものだが、平和憲法に基づく安保政策の転換につながる問題だ。

 領土や歴史問題をめぐって思慮に欠けた発言も目につく。

 石破前政調会長や石原幹事長、安倍元首相は、国有化した尖閣諸島に灯台や避難港などの施設を造り、実効支配を強めるという。

 安倍氏は、慰安婦問題で「おわびと反省」を表明した河野官房長官談話を見直す考えも示している。

 尖閣や竹島問題で、日本と中国、韓国との緊張が高まっている。それをさらにあおって、近隣国との安定した関係をどう築くというのか。

 日本の社会と経済の立て直しは容易ではない。だからといって、ナショナリズムに訴えて国民の目をそらしたり、それで民主党との違いを際だたせたりしようというなら願い下げだ。

 いま日本の指導者に必要なのは、そんな勇ましいだけの発言ではない。山積する課題に真摯(しんし)に向き合い、粘り強く解決に取り組むことである。

【以上の理由により、自民党には政権担当能力なぞ存在しないと判断します。】


9/8付読売

 拙速な議論で「原子力発電ゼロ」の方針を打ち出すのは、政権党としてあまりに無責任だ。

 民主党が「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指すエネルギー政策の提言をまとめた。

 原発の新増設は認めず、運転開始から40年での廃炉を厳格に適用するという。だが、高コストや失業増大など経済への悪影響を克服するための具体策は乏しい。問題だらけの内容だ。

 「原発ゼロ」を30年代に実現するという期限についても、党内の議論の終盤で強引に盛り込む乱暴な決め方だった。

 衆院選のマニフェスト(政権公約)を意識し、「原発ゼロ」を鮮明にした方が選挙に有利だと考えたのだろう。大衆迎合主義(ポピュリズム)そのものだ。

 太陽光など再生可能エネルギー拡大に50兆円、省エネ達成に100兆円――。政府のエネルギー・環境会議が示した「原発ゼロ」のコストは膨大である。

 電気代が上昇し、標準家庭の光熱費は、現在の月1万7000円が3万2000円に跳ね上がる。生産コスト増で産業空洞化が加速し、失業は急増するだろう。

 「原発ゼロ」がもたらす悪影響の重大さは、経済界だけでなく政府も認めている。

 しかし、民主党はこうした「不都合な真実」に目をつぶった。提言で明確な打開策を示さず、「政策的に強力な支援を行う必要がある」などとし、政府に対応を“丸投げ”しただけである。

 「原発ゼロ」の時期を明示した場合、原子力の技術者などを目指す若者が激減し、肝心の人材が育たなくなる恐れが強い。

 福島の事故を受けた原発の安全性向上や廃炉技術の確立など、重要な責務を果たせなくなり、日本の国際的な信用も失墜しよう。

 原発再稼働へ地元の理解も得られにくくなる。政府の核燃料サイクル政策を前提に、各地の原発から使用済み核燃料を受け入れてきた青森県が、協力を拒否する事態となれば、全国の原発を動かすことは一段と困難になる。

 現在、原発を代替する火力発電の燃料費は、年3兆円以上も余計にかかっている。再稼働できないと、東電以外の電力会社も大幅な料金値上げを回避できまい。

 政府は来週にも、新たなエネルギー戦略を決める予定だ。選挙目当ての民主党提言にとらわれず、政府は中長期的に原発の活用を続けていく現実的なエネルギー政策を示すべきである。


9/11付読売
 エネルギー政策では、4候補が「原子力発電ゼロ」を目指す方針で足並みをそろえた。

 「原発ゼロ」には、コスト増大による経済への悪影響、原子力技術の衰退など、重大な懸念がある。反原発論に迎合せず、より現実的な政策策定へ再考を求めたい。

(中略)

 日米同盟の軽視による外交・安全保障政策の迷走、「脱官僚」路線がもたらした行政の停滞、大震災や原発事故への場当たり的な対応……。野田首相は、鳩山、菅両政権の「負の遺産」の清算に取り組んできたが、まだ道半ばだ。

 ねじれ国会で法案が成立しない原因は与党でなく野党、と言わんばかりの民主党の無責任な国会運営が、「決められない政治」の根本にあったことも否めない。


9/12付日経
 沖縄県の尖閣諸島を国が買い上げて国有化した。政府はこれを機に尖閣をしっかり管理し、領土の保全を徹底してもらいたい。

 地権者から購入したのは同諸島のうち、魚釣島、北小島、南小島の3島だ。購入価格は20億5千万円で、予備費から支出する。国有化が実現したことを評価したい。

 これまで政府は個人の地権者に賃料を払い、借り上げてきた。同諸島の安全を保ち、警備を徹底するには国が直接、保有したほうがよいに決まっている。

(中略)

 尖閣の領有権を主張する中国は、外務省が日本政府を批判する異例の長文声明を発表するなど、強く反発している。中国は何らかの対抗措置をとる方針も表明しているが、尖閣は日本の領土であり中国側に批判される理由はない。

 しかも、政府が購入しなければ、対中強硬派で知られる石原知事の主導の下で、都が3つの島を保有することになっていた。それよりも政府が保有し、安定的に管理したほうが、日中関係の大局にも役立つ。政府はこの点について中国に重ねて主張してほしい。




9/9付毎日
直し、原発に影響を及ぼす疑いが相次いで浮かんだ活断層の徹底調査など、規制委が取り組まなければならない仕事は山積している。事務局として規制委を支える原子力規制庁の組織作りも重要だ。

 初代委員長候補の田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問は、内閣府の原子力委員会委員長代理を務めるなど原発推進の立場にあったが、8月に開かれた衆参議院運営委員会の所信聴取では、活断層が新たに確認された原発は停止させ、「40年廃炉ルール」を厳格に適用すると強調した。その後も、同運営委の理事会に「(電力)事業者と一線を画した規制行政を必ず実現する」と表明する書面を提出している。規制委発足後は、意思決定過程を公開し、透明性の確保に努めてもらいたい。


9/12付読売
 委員長と委員4人の人事案に国会の同意が得られぬまま、規制委設置法に基づき、野田首相が自らの権限で任命することになる。

 国会同意なしの任命は望ましくないが、法律上の設置期限の26日が迫っている。政府が特例措置に踏み切るのはやむを得ない。

 先の通常国会で同意の議決ができなかったのは、民主党内の混乱が原因である。

 鳩山元首相や党代表選に出馬した原口一博元総務相らは、いわゆる「原子力ムラ」に属さない人物への差し替えを求めている。菅前首相も慎重姿勢を示した。政府が提案した人事に与党が同意しないのは異常な事態だ。

 民主党内の反対論が沈静化する可能性は低く、野党にも否決論が根強い。次の臨時国会での同意取り付けも容易ではなさそうだ。

 だが、規制委の任務は、専門的知見に基づき、原子力利用の安全性を確保することにある。原子力政策の決定の場ではないことに、鳩山氏らは留意すべきだ。

 平時は、原子力発電所の再稼働や廃炉の是非を判断し、緊急時には事故対応の司令塔となる。

 規制委は各府省からの独立性が強く、自律的な組織だけに、原子力の実務を知る人材を欠かすことはできない。専門家を排除すればその役割を果たせまい。

 規制委が機能するには、事務局となる原子力規制庁の陣容を固める必要がある。官民から幅広く人材を起用することが不可欠だ。

 政府が「原発ゼロ」を打ち出せば、将来への展望がなくなり、優秀な人材の確保は困難となることにも気を配る必要はないか。


9/6付読売
 世界一をかけた舞台で戦う「侍ジャパン」を三たび応援できる。

 日本プロ野球選手会が来年3月の「第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」への不参加決議を撤回し、大会に出場することを表明した。

 選手会の決定を歓迎したい。

 2006年、09年のWBCで、日本が連覇した際、国中がわき返った。あの白熱した戦いを楽しめないとなれば、大勢の野球ファンが落胆しただろう。

 選手会の新井貴浩会長(阪神)は「ファンも日本代表の試合を見たいと思うし、選手も代表のユニホームを着て試合をしたいという思いがあった」と語った。

 野球が五輪の競技から除外されている現在、日の丸を背負って戦える貴重な世界大会である。

 ファンも選手も喜ぶ結果となったのは、朗報と言える。

 WBCは、米国の大リーグ機構と大リーグ選手会の共同出資会社が主催する。今回は、日本を含め、28の国・地域から代表チームが出場する。

 日本の選手会は、代表チームのユニホームやヘルメットに企業名を掲示するスポンサー権について、日本側に認められていないのは問題だと主張してきた。

 日本野球機構(NPB)は、主催者側と交渉を重ね、大会のロゴを使用しなければ、WBC期間中でもスポンサー権が日本側にあることを確認した。これが、選手会に方針転換を促した。

 WBCの主催者側にとって、連覇を成し遂げている日本チームは、大会を盛り上げる上で、欠かせない存在と言えよう。

 日本チームが不参加となっていたら、日米の野球界に亀裂を残したに違いない。

 日本側から見て、運営方法に問題があるとしても、大会に参加する中で発言力を強め、改善を求めていくのが賢明だろう。

 参加国が協力して、大会を成長させ、野球の国際化を一層、進めていく必要がある。五輪競技に復帰する上でも、野球のすそ野を広げ、各国のプレーのレベルを底上げしていくことが大切だ。

 今後、日本代表のチーム編成が本格化する。どのような顔ぶれになるのか、楽しみだ。

 シーズン終盤に向け、選手にとっては、代表入りという新たな目標ができた。国内でプレーする選手はもちろん、大リーグ球団に所属する日本人選手も、ファンを魅了するプレーで、存在感を大いにアピールしてもらいたい。


9/9付毎日
 交渉の過程では、球界全体の利益を追求すべき最高責任者、加藤良三コミッショナーのリーダーとしての適格性への疑問が膨らんだ。自ら直接交渉に乗り出さないばかりか、8月末にはWBC参加が東日本大震災からの復興支援につながるという趣旨の発言をして選手会の不信感を増幅させた。根拠が不明であり、翻意させるためとはいえ、震災復興を持ち出すのはいかがなものか。

 駐米大使時代に大リーグの始球式を務めるなど野球通としての経歴が買われてのコミッショナー就任だったが、巨人をめぐる昨年来の一連の騒動に対しても存在感はなく、職責を全うしているとはいいがたい。

 日本を代表して米国にはっきりモノを申せなかったことが、WBCの日本開催分の興行権を巨人の親会社である読売新聞グループが持っていることとは無関係だと思いたい。


9/13付朝日
 日本政府が沖縄県・尖閣諸島を購入し、領有権を主張する中国が反発を強めている。

 影響を両国関係全体に及ぼさぬよう、中国側には自制的な対応を望みたい。

 中国側の反発は、日本政府の予想を上回るものだった。

 温家宝(ウェンチアパオ)首相が「半歩も譲らない」と異例の強い口調で反論したほか、外務省も「領土主権に対する侵害を座視しない」などとした声明を出した。

 国防省や、国会に当たる全国人民代表大会(全人代)外事委員会も、相次いで国有化を批判する談話や声明を出した。

 購入を閣議決定した当日には、中国の海洋監視船2隻が尖閣周辺の海域に現れた。

 日中の交流事業にも影響が出ており、中国政府が経済的な制裁に出る可能性も取りざたされている。

 中国側にも言い分はあろうが、経済や文化の領域にまで対抗措置を拡大しても、両国にとって益はない。

 日本政府が国有化を撤回することもあり得ず、何の解決にもならないことは明らかだ。

 もう一つ気がかりなことがある。日本は1895年、尖閣諸島がどの国にも属していないことを確認し、領土に編入した。

 これについて、中国外務省が声明で、日清戦争の混乱の中で「不法に盗み取った」などと、日本の中国侵略の歴史と結びつけて説明していることだ。

 反日デモの動きが出ている中、中国の国民感情をさらに刺激しかねない内容だ。

 中国は国際社会への訴えにも力を入れ始めた。日本としても、領有の根拠など自らの立場を発信することが必要だ。

 そもそも、国有化は、東京都の石原慎太郎知事が購入計画を打ち出したことが引き金になった。中国側では、石原氏の動きに乗じて日本政府が尖閣の支配を強めたとの受け止めが強い。

 だが、中国への挑発的な言動を繰り返す石原氏の管理下に置くよりも、国有化の方が無用な摩擦を抑えることができる。都の購入を止める方法は、国有化のほかになかった。そのことは日本政府も中国に繰り返し説明してきた。

【中国にとっては当たり前の反応。これで予想を上回るとか、どれだけ甘いんだ?そんな身内の事情なんか中国にとって知ったことかって話でしょ。】

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