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2012年9月 8日 (土)

社説を読む 第28回


9/2付朝日
 そんな事態を防ぐには、住民が常日頃から、自ら「助けて」と声をあげる必要がある。それが本当の意味で、自分の命を自分で守る「自助」だ。

 「自分の困りごとを表に出すのは恥ずかしい」と思いがちだが、「助けられる人」がいて初めて、「助けたい人」の力が引き出される。自助と共助は裏表の関係なのだ。

 最大の壁は「人に迷惑をかけてはいけない」という意識である。日本人は、問題を自分や家族のなかで解決することが自助と教え込まれてきた。

 たとえば自民党が、5月にまとめた社会保障に関する「基本的な考え方」には、そんな常識が色濃い。

 「家族内の精神的、経済的、物理的な助け合い、すなわち『家族力』の強化により『自助』を大事にする」とうたう。

 まずは家族内でなんとか始末をつけよ、と読める。

 だが、現実はどうか。

 高度成長期、大量の労働力が地方から都市へと流入した。地縁・血縁が薄れ、核家族化がすすみ、さらに高齢化で単身世帯が急速に広がっている。

 「家族は大事だ」という道徳論で、きずなが復活し、孤独死や虐待が解消するだろうか。

 むしろ、プライバシー尊重の名のもとで「引きこもり」を助長し、共助を妨げるおそれさえあると、現場の経験は教える。

 かたや財政悪化を背景に、税金による公助にも限界が見えている。「家族内の自助」の強調は、裏づけのないまま「福祉の充実」を言い募ってきた政治の敗北宣言という側面もある。


9/5付朝日
 関電の供給力は連日250万キロワット以上余裕があり、計算上は大飯原発3、4号機(計236万キロワット)を再稼働しなくても乗り切れたことになる。

 もちろん古い火力発電所を急きょ復旧させたことや、他社からの電力融通があってまかなえた部分はある。関電は「大飯の再稼働で計画停電のリスクを低減できた」と説明する。

 しかし、企業から節電分を買いとるネガワット取引など、逼迫時に準備している対応は一度も発動されていない。

 政府の需給検証委員会は5月、関西の電力が15%不足するとしていた。節電の努力を過小評価していなかったか。水力や揚水発電の供給見込みは妥当だったか――。電力会社の情報をもとに、不足分を過度に見積もっていなかったかどうかを、徹底的に検証すべきだ。

 このままでは、原発の再稼働のために需給予測を厳しく算出したとみられても仕方ない。

 政府は、原子力規制委員会の発足を待たず、暫定的な安全基準をつくって駆け込み的に大飯の再稼働に踏み切った。

 夏の需要に対応して再稼働した以上、ピーク期を過ぎれば停止させるのが筋だ。

 関西広域連合は先月、原子力規制委員会がつくる新たな安全基準のもと、大飯の安全性を再審査するよう求めた。

 橋下徹大阪市長のブレーンでつくる大阪府市エネルギー戦略会議も、節電期間終了後の速やかな大飯の停止を求め、政府に声明文を送る方針だ。

 こうした声に政府や関電は真剣に耳を傾ける必要がある。

 電力需要が高まる季節は冬と夏に周期的にやってくる。需給検証委員会を常設化して精緻(せいち)な需給予測を立てるとともに、根本的な電源対策に取り組むことが、コスト面でも不可欠だ。

 大阪府・市は脱原発社会実現への提案を練っている。関電や経済界も、客観的なデータを出して議論に加わってはどうか。電力供給を安定させ、安全で持続可能な社会を実現させることは、共通の目標のはずだ。


9/2付読売
 日本政府の抗議に対して、中国側は「極めて遺憾だ。再発防止に全力を尽くし、法に基づき厳正に対処したい」と応えている。

 ただ、中国のインターネットのポータルサイトが実施した世論調査では、大使車襲撃を支持する回答が8割に達した。容疑者を「英雄」として、事件を称賛する声が多いことは、日本にとって憂慮すべき事態だ。

 中国にはもともと、愛国的行為なら罪に問われないとする「愛国無罪」というスローガンがある。日本車や日本料理店などを壊す反日行動が、事実上容認されているのは問題である。

 反日で若者のネット世論が過激化する背景として、中国当局による愛国教育の強い影響を指摘しないわけにはいかない。

 一衣帯水の日中は、経済をはじめ、極めて重要なパートナーであることを認識すべきだ。今回の事件や繰り返される反日デモは、不毛と言うしかない。

 尖閣諸島を巡って緊張が高まっていることから、中国で開催予定の友好行事が延期や中止に追い込まれているのも看過できない。

 このため、野田首相は胡錦濤国家主席に親書を出した。山口壮外務副大臣が北京で、胡主席に近い外交担当の実力者、戴秉国・国務委員と会談して手渡した。

 親書は、日中両国が戦略的互恵関係を深化させることが重要だとし、関係発展のためにハイレベルで緊密な意思疎通を行っていくことが有意義だと訴えている。

【ここに書かれていることはその通りで正当だと思う。が、その逆も考えないとね。】


9/4付読売
 基本方針として、憲法改正が必要な首相公選制を明記した。

 ただ、この制度に関しては、一度導入したイスラエルで政治が混迷した末に撤廃されている。「人気投票的になることは防ぐ」というが、そんなことが可能なのか、疑問符を付けざるをえない。

【確かに、どうやったら人気投票的になるのを防げるのかは、是非聴いてみたい。この指摘は良いね。】


9/5付読売
 東日本大震災前の借金に、自宅や会社を再建するための借り入れが加わる「二重ローン問題」の解決が遅れている。

 返済額の減免など救済策はあるが、肝心の利用が低迷しているためだ。

 政府と金融業界は取り組みを強化し、二重ローンの解消に弾みをつけるべきである。

 仮設住宅で暮らしながら、津波で流された自宅のローンを返済している被災者は多い。

 従来のローンを整理して再出発したい被災者を対象に、政府は昨年、「個人版私的整理ガイドライン」と呼ばれる指針に基づく新たな支援制度をスタートさせた。

 個人が金融機関に債務減免を求めるのは大変だ。そこで弁護士費用などを国が補助し、交渉や手続きを手助けしている。

 2700万円のローンを抱える宮城県の男性は、住めなくなった自宅を売って800万円を返し、残る1900万円は金融機関の負担で返済を免除してもらった。うまくいけばメリットは大きい。

 問題は、利用が伸び悩んでいることだ。受け付け開始から約1年間の相談は約2500件で、解決したのは70件にとどまる。年間1万件の利用を見込んだ政府の想定を、大きく下回っている。

 事業者向けは、復興庁と経済産業省がそれぞれ所管する二つの制度がある。どちらも公的機関が金融機関から貸出債権を買い取り、一定期間は返済を猶予して再建を後押しする内容だが、支援決定は合わせて50件に届かない。

 手続きの煩雑さや適用条件の厳しさが、障害になっているのではないか。政府は丹念に点検してもらいたい。

 支援策の内容や利点があまり知られていないことも一因だ。政府や関係機関は、一層の周知徹底を図るべきだ。

 返済額の軽減などで金融機関に迷惑をかけると、今後は融資してもらえなくなる……。そう心配して利用に二の足を踏む中小企業が少なくないという。

 金融機関は、支援制度を利用しても不利益な扱いはしないと取引先に説明してほしい。被災者が積極的に活用すれば地域経済の再生が早まり、長い目で見て金融機関にもプラスとなろう。

 業績の悪い会社の債務返済を猶予する中小企業金融円滑化法の期限が来年3月に切れることから、被災地の中小企業の資金繰りが、さらに悪化する恐れがある。

 今のうちに、二重ローンの解消を急がねばならない。

【周知の問題だろうなあ。というわけでここに書いても、効果があるとは思いにくいが、一助になればと思い掲げます。】


9/1付毎日
 人為ミスをいくら強調しても、日本政府が安全を保証することにはならない。事故の可能性は常にあり、米軍も事故率を算出している。配備が計画されている米軍普天間飛行場の周辺住民の不安は消えない。

 問題はオスプレイを市街地の上空で飛行させることだ。宜野湾市の中心部にある普天間飛行場の周囲には約9万人が居住し、学校、病院など120以上の公共施設がある。万一のことがあれば重大事故となる。03年11月、同飛行場を上空から視察したラムズフェルド米国防長官(当時)は「こんなところで事故が起きない方が不思議だ」と語った。

 「10月配備(本格運用)」を進める野田政権は、住民の安全より米政府とのあつれき回避を優先しているとしか思えない。普天間移設の動きは止まったままだ。移設実現までの普天間飛行場の機能分散と、10月配備の延期を改めて求める。

 森本防衛相は30日には、オスプレイが一時駐機している米軍岩国基地がある山口県を訪れ、山本繁太郎知事と会談した。知事は「住民の安心と安全は十分でない」と語った。

 米海兵隊は最近、ハワイの二つの空港で計画していたオスプレイの訓練を中止した。空港周辺の歴史的遺産への影響や住民の騒音被害などを考慮したためという。6月には、ニューメキシコ州で、空軍が、環境アセスに対する住民意見を受けてオスプレイの低空飛行訓練を延期している。

 米国内なら柔軟に対応するが、日本ではそうはいかないということなのか。仲井真知事は会談で「(市街地の)普天間でオスプレイが飛び交うイメージは浮かびにくい」と語った。配備を強行してはならない。


9/2付毎日
 福島第1原発の事故を受け、国内の原発をどこまで減らすべきかが、熱く議論されている。だが、日本で近い将来、原発がゼロになったとしても、世界では新興国などを中心に、当分、原発の増加が続く。国境付近での重大事故により、放射能などの影響が国外に及ぶリスクは今後、高まっていきそうだ。

 具体的に日本の周辺を眺めてみよう。今年2月、韓国の古里(コリ)原発1号機で、定期点検期間中に一時、全電源が喪失する事故が起きた。電力会社による政府への事故報告は1カ月以上も経過した後だったという。

 古里原発は韓国南部・釜山にあり、福岡市まで約200キロ、長崎県・対馬は約75キロしか離れていない。韓国の原発23基中、17基が日本海沿いにある。無関心ではいられない。

 韓国や中国など東アジア地域では、今後、急速に原発の建設が進みそうだ。国際原子力機関(IAEA)の予測によると、2030年時点の原発の発電能力は10年末比で最大3倍超になるという。この地域で事故を防ぐため、福島の教訓も最大限生かしながら、国境を超えた情報共有や技術協力を活発化させたい。

 事故を想定した準備も欠かせない。原発で事故が発生すれば、IAEAを通じ各国に情報が伝達される仕組みがある。ただ、放射能の直接的な影響が考えられる近隣諸国に対しては、特に詳しい情報が迅速かつ持続的に伝えられるべきだろう。

 緊急時にどういう手順で情報を共有するか、事故の影響を最小化するため具体的にどのような協力を行うかなど、事前に取り決めをし、訓練をしておく必要がある。

 米国とカナダの取り組みは参考になりそうだ。

 両国はそれぞれ、国境付近に複数の原子力発電所を抱えている。79年の米スリーマイル島原発事故や86年のチェルノブイリ事故を受け、国境を超えた放射能の影響に関心が高まった。そこで米加両政府は96年、共同の放射能緊急対応計画に署名、住民を放射能から守るための協力体制を敷いた。

 東アジアでは日中韓の間で、ようやく取り組みが始まったところだ。08年から規制担当者間で、具体的な協力の内容を協議しているという。動きを加速させ、成果をさらに東アジア全体に広げていってもらいたい。

 人や経済の交流が緊密化しているこの地域だ。どこかで原発事故があれば、放射能以外でも広く影響が及ぶ。「我が国さえ良ければ」の発想では互いが困ることになる。地域全体で事故防止、事故対応のレベルが向上するよう貢献し合おう。


9/4付毎日
 民主党政権が混乱する一方で、自民党もさほど世論の追い風を呼んでいない責任を谷垣氏だけに帰すべきであるまい。自民党は防災対策などで10年間で総額200兆円を投資する国土強靱(きょうじん)化構想を掲げている。ばらまき路線の復活など到底、許されないはずだ。

 また、原発再稼働について同党は「3年以内に結論」と説明しているが、これで有権者の判断を仰げるだろうか。


9/6付毎日
 将来の原発比率を定める政府のエネルギー政策のとりまとめが、大詰めを迎えている。

 原発は、安全性の確保や使用済み核燃料の処分など困難な問題を抱える。将来的には、原発に依存しない社会が望ましい。政府は「原発ゼロ」を目標として明示すべきだ。

 もっとも、脱原発には産業界を含め、国民の痛みも伴う。政府は、原発全廃に至る道筋を具体的に示し、国民の理解を得る必要がある。

 政府は原発を運転開始から原則40年で廃炉にする方針を示している。新増設がなければ、原発比率は2030年に15%、50年に0%になる。耐用期限前でも、立地条件などで安全基準に満たない原発があれば、目標はより早く達成できるはずだ。

 再生可能エネルギーが普及・拡大し、省エネ・節電が広がれば、原発への依存度は一段と下げられる。政府は、そのための施策を総動員し、原発全廃の時期をできるだけ前倒しする意思を明確に示すべきだ。

 原発事故前に総電源の3割近くを占めていた原発を「ゼロにする」と宣言すれば、歴史的な政策転換になる。当然、さまざまな困難やあつれきが予想される。

 例えば、政府は電気料金が最大2倍に跳ね上がると試算する。そうなれば、国民生活、とりわけ産業界に大きな打撃を与え、空洞化を招きかねない。政府は、電力事業の完全自由化による価格競争の誘導や、北米産シェールガスのような割安な燃料の調達など料金抑制に手を尽くす必要がある。

 使用済み核燃料の最終処分問題も切迫性を増す。原発の稼働を前提としている核燃料サイクルは、存在意義を失う。そうなれば、青森県六ケ所村の再処理工場や各原発に「中間貯蔵」している使用済み核燃料について、最終処分を先延ばしできなくなるからだ。

 六ケ所村には、全国の原発から出た約3000トンの使用済み核燃料が集積している。これは、国民が今の生活水準を守るため、将来の世代に回そうとしたツケともいえる。

 その解消は、避けられない課題だ。政府は、「原発ゼロ」を宣言することで、最終処分に本腰を入れる覚悟を決めるべきだろう。

 政府・民主党の調整が、最終段階に入っている。心配なのは、「原発ゼロ」という看板を掲げておしまいにされることだ。国の将来を左右する政策が、総選挙を意識したパフォーマンスに使われてはならない。

 原発全廃には、企業を含めた国民的合意に基づく社会・経済システムの変革が必要になる。政府には、そのための具体策を説得力ある工程表として示すよう求めたい。


9/7付朝日
 自民党総裁選に向け、安倍晋三元首相がみずからの歴史観について活発に発言している。

 たとえば月刊誌のインタビューで、こう語っている。

 「自民党は、歴代政府の答弁や法解釈を引きずってきたが、新生・自民党では、しがらみを捨てて再スタートを切れる」

 「新生・自民党として、河野談話と村山談話に代わる新たな談話を閣議決定すべきだ」

 そして、自分が首相に返り咲けば、靖国神社に「いずれかのタイミングで参拝したいと考えている」と述べている。

 自民党の一部で根強い主張である。それにしても、首相経験者、さらには首相再登板をねらう政治家として、思慮に欠ける発言といわざるをえない。

 河野談話は慰安婦問題で旧日本軍の関与について、村山談話は過去の植民地支配と侵略について、それぞれ日本政府としての謝罪を表明したものだ。

 6年前、首相になる前の安倍氏は「自虐史観」に反発する議員の会の中核として、村山談話や河野談話を批判してきた。

 だが、首相になるや姿勢を一変させ、両談話の「継承」を表明した。政権を担う身として、対外宣言ともいえる外交の基本路線を覆せなかったからだ。

 安倍氏自身が靖国参拝を差し控えたこともあり、小泉政権で冷え切った中韓との関係を改善したのは安倍氏の功績だった。

 私たちは当時の社説で、そんな安倍氏の豹変(ひょうへん)を歓迎した。

 それがにわかに先祖返りしたかのような主張には、驚くばかりだ。再び首相になればそれを実行するというなら、方針転換の理由を説明してもらいたい。

 ふたつの談話は、安倍政権をふくめ、その後のすべての政権も踏襲した。韓国をはじめ近隣国との信頼を築くうえで重要な役割を果たしてきた。

 かりに首相に再登板した安倍氏がこれを引き継がないということになれば、日本外交が苦労して積み上げてきた国際社会の信頼を失いかねない。

 自民党の一部に再び安倍氏への期待が出ている背景には、尖閣諸島や竹島をめぐる中韓の刺激的な行動があるのだろう。

 しかし、それに安倍氏流で対抗すれば、偏狭なナショナリズムの応酬がエスカレートする恐れさえある。

 政治家が信念を語ること自体を否定するつもりはない。

 ただし、それには自分なら近隣国との外交をこう前進させるという展望を、しっかり示す責任が伴う。その覚悟なしに持論にこだわるなら、一国の政治指導者として不適格だ。


9/5付読売
 日本は、原子力発電所から出る使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」政策の実現を目指している。

 日本原燃が青森県六ヶ所村に建設してきた再処理工場は、その要である。稼働へ向け、大きなヤマ場を越えた。

 1993年に着工し、2兆円以上の建設費が投じられてきた。高レベル放射性廃棄物を安定保管するため、ガラスで固める工程が最終試験段階で難航していたが、ようやく試運転に成功した。政府の安全確認などを経て完工する。

 ウラン資源の有効活用や放射性廃棄物の減少に貢献する施設である。早期の稼働が求められる。

 懸念すべきは、政府・民主党の「脱原発」論議の迷走だ。再処理工場を稼働させられるかどうか、それ自体が問題になってきた。

 政府のエネルギー・環境会議で有力選択肢に浮上している「原発ゼロ」になれば、使用済み核燃料の再利用の道は閉ざされ、工場を動かす意味がなくなる。

 再処理工場に全国の原発から搬入された約3000トンの使用済み核燃料は行き場を失うだろう。

 青森県は、日本原燃と交わした覚書を踏まえ、工場を稼働させない場合は、すべてを各電力会社が引き取るよう求めている。

 そうなれば、各地の原発は戻された使用済み核燃料で満杯となり、交換用の新たな核燃料を持ち込む余地さえなくなる。これでは、立地自治体も、原発を再稼働することに同意はすまい。

 将来の「原発ゼロ」どころか、直ちに混乱しかねない。

 青森県の三村申吾知事は先月、政府に対して「現実的に実行可能な方針」を示すよう求める要望書を提出し、「原発ゼロ」に疑問を呈した。核燃料サイクルについても「資源に乏しいわが国を支える重要な政策」と述べた。

 政府・民主党が安直に「原発ゼロ」政策に転換しないよう、クギを刺したものだろう。当然の見解表明と言える。政府は、青森県に誠実に対応すべきだ。

 再処理技術は、核拡散に敏感な米国が日米原子力協定で日本に特別に認めた権利でもある。この権利が「原発ゼロ」で失われる。

 無論、これまで培ってきた原子力の技術が衰退し、新たな人材も育たなくなる。

 使用済み核燃料を、厳しい管理の下で確実に再利用することは軍事転用を封じるのに役立つ。

 中国、韓国などは原発利用を拡大している。「原発ゼロ」は日本の発言力を低下させるだけだ。

【また出たよ、読売の原発礼賛社説。これまでの経緯考えたら核燃料サイクルがまともに動かせるという考えは、ふざけてるとしか思えないのだが。】


9/7付日経
 原子力発電所を全廃したときの経済や国民生活への悪影響をどのように考えているのか。民主党の調査会が「2030年代に原発の稼働ゼロ」をめざすとする提言をまとめた。エネルギー政策が国の命運を左右することを考えればあまりに拙速で、政権政党として無責任といわざるを得ない。

 提言は、国内の50の原発は40年間の運転制限を厳格に適用し、一部は廃止を前倒しして「原発ゼロ社会」をめざすとした。

 民主党政権がこれまで示してきた「脱原発依存」から「原発ゼロ」へと大きく踏み込む内容だ。同党はこれを衆院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込む。政府は提言を踏まえ、来週にも30年までのエネルギー戦略を示す。

 福島第1原発事故の影響で原発の新増設は難しくなり、国民に「脱原発」を求める声は多い。しかし経済や産業、雇用への悪影響について十分な説明もなしに「原発ゼロ」を打ち出すのは、選挙対策とみられても仕方あるまい。

 私たちは、原子力をエネルギー政策の選択肢から外すのは賢明ではないと重ねて主張してきた。

 化石燃料に過度に頼ったために起きた1970年代の石油危機のような事態を繰り返してはならない。多様なエネルギーを確保して電力を安定供給することが、産業や雇用の空洞化の回避につながる。地球温暖化を防ぐためにも原発の役割は大きい。

 自然エネルギーや省エネの拡大に最大限努めたうえで、原発は一定数を維持し、5~10年後にその位置づけを決めるべきだ。

 民主党の提言でとりわけ懸念されるのが、原子力の安全を支える技術や人材の流出だ。原発ゼロを打ち出せば、当面の運転に欠かせない技術者が散り、安全を高める研究に携わる人材も集まらない。原発メーカーが生産基盤を維持するのも難しいだろう。

 原子力の代わりに天然ガスなどを増やさざるを得ず、輸入額が毎年約3兆円余分にかかる。企業や家庭の電気料金を大幅に押し上げ、経済を圧迫する。使用済み核燃料の受け入れなどで国に協力してきた青森県などの意向も踏みにじることになる。

 今回の提言づくりでは党調査会の総会で異論も相次いだ。党内には「原発ゼロ」が難しいと考える意見も多いはずだ。政府が打ち出すエネルギー政策は、より多角的な視点から判断すべきだ。

【やはり、日経は読売と同類か。原子力村の仲間同士、せいぜいやってくれよ。】

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